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『ストレンジ・デイズ』 新年の映画、あるいは田舎者のおせち料理

『ストレンジ・デイズ』
(1995) STRANGE DAYS 145分 1996/01鑑賞

監督:キャスリン・ビグロー 製作:ジェームズ・キャメロン、スティーヴン=チャールズ・ジャッフェ 製作総指揮:レイ・サンキーニ、ローレンス・カザノフ 原案:ジェームズ・キャメロン 脚本:ジェームズ・キャメロン、ジェイ・コックス 撮影:マシュー・F・レオネッティ デザイン:シド・ミード 音楽:グレーム・レヴェル
出演:レイフ・ファインズ、アンジェラ・バセット、ジュリエット・ルイス、トム・サイズモア、マイケル・ウィンコット

アメリカ映画に1月1日新年というのはあまり題材として登場しない。その直前のクリスマスがわっと大イベントだからだろうか。何かなかったかなあと記憶をひっくり返して出てきたのがこの『ストレンジ・デイズ』だ。
舞台は近未来1999年末のロサンゼルス(製作が1995年なので1999年は近未来なのだ)。他人の体験を記録しそれをそっくりそのまま体感できる機器が存在し、犯罪の現場などを記録した闇ディスクを扱う元刑事を主人公に物語は進む。
黒人ラッパーを白人警官が射殺した事件や、ディスクが絡む猟奇殺人などが主人公に襲いかかる。そして2000年へのカウントダウンが始まり、街は2000/01/01 0:00を待ち受ける人々で溢れかえる。
もうこれでもかとネタはてんこ盛り。てんこ盛りすぎて145分という長さにも関わらず消化不良のまま終わっている。たとえて言うならば田舎者のおせち料理みたいである。数の子、伊達巻き、田作り、栗きんとんなどなど、もうこれでもかっとばかりに豪勢な品々がお重に詰め込まれているが、「あのねそんなに食べきれないから。お重も三段や四段重ねで並べきれないっつーの。あんたらちょっと気合い入れすぎでしょ。あーもう太田胃散持ってきて」といったところ。
それでもなんとなく納得してしまうのは伊勢エビ的存在にあたるラストのカウントダウンイベントのおかげだろう。大規模なセットが組まれ、何でもそのシーンのために用意したエキストラは1万5000人にもなるという。日当だけでも大変だ、こりゃ。たしかに画面に登場する人の数は膨大で、しかも「10、9,8・・・」などと盛り上がっているので映像としての迫力はある。
逆にこのシーンがなければSFとしてもサスペンスとしても中途半端な仕上がりで、ラストの真犯人のあまりにもな唐突さやつながっていないストーリーなどとても人に薦められる映画ではない。しょせん、キャスリン・ビグローといったところか。そもそもおせち料理に伊勢エビを入れてくるってのが田舎っぽく、ごてごてしすぎていてスマートさに欠ける。やっぱシンプルでしょ。
この場合の“田舎者”とはその人の産まれた場所や住んでいる場所のことではなく、その人がどういう人かという意味での田舎者である。念のため。今、ネットで高級ホテルや料亭が販売しているおせち料理を見てみたが正直うんざり。確かに美味しそうではあるけど、これでもかぁ!という豪勢さがかえって貧乏くさいよな。

ホウ・シャオシェンの『悲情城市』(1989)にも正月のシーンがあった気がするが(間違ってたらすまん)、あれは台湾なので旧正月(太陰暦)だ。太陽暦だと2月の出来事になるのでちょっと違う。新年になると同時に爆竹をやたらと鳴らすそうだ。
うちの近所でも昨夜の0時過ぎに花火がなっていたが同じような物か。だが台湾のは一つの文化だが、近所の花火はちょっと勘違いしちゃってる人の仕業って気もするが。

なにはともあれ新年。だからどうした、どうってこたぁない。

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