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『アリゲーター』 しっ、白いワニが来る!(江口寿史)。白くないけどワニは来る。

『アリゲーター』
(1980) ALLIGATOR 91分 2004/12/31レンタルDVDにて鑑賞

監督:ルイス・ティーグ 製作:ブランドン・チェイス 脚本:ジョン・セイルズ 撮影:ジョセフ・マンジーン 音楽:クレイグ・ハンドリー
出演:ロバート・フォスター、ロビン・ライカー、ディーン・ジャガー、ヘンリー・シルヴァ、マイケル・ガッツォ

ペットとして飼われていた子ワニが大きくなりすぎたため水洗トイレに流される。だがそのワニは死なずにゴミやネズミなどを食べ下水の中で育って大きくなり、時折下水道を管理する役所の職員が襲われる。そのワニはずっと日の光を浴びずにそだったので真っ白だそうな。
アメリカにはそんな都市伝説があるが、まさにそれを映像化したのがこの『アリゲーター』だ。ただし特撮の都合上か色は白くない。
ただ下水にいただけではなくて、薬品会社が不法投棄した実験動物を餌にしたため成長ホルモン過多で通常の倍ほどの大きさにもなったアリゲーター。このアリゲーターが地上に姿を現しノッシノッシと這いずり回るシーンは、縮尺を小さくして作ったセットの中に本物のワニを入れて撮影した物。この微妙なミニチュアセットがなかなか効果的に使われていて巨大ワニのスケール感が出ている。
ワニの頭だけや尻尾だけラージスケールメカニカル(実物大駆動モデル)も上手に活用されていてワニの迫力が出ている。パーティー会場襲撃のシーンでは全身像のラージスケールメカニカルが登場するが、テーブルや植え込みの陰を巧妙に使ってその姿をはっきりとは見せないようにしている。もちろんこれは全体像を長々と映してしまっては作る物であるところが観客にあまりにもばれてしまうのを防ぐためで、低予算の中でいかに特撮を生かすかということを制作陣が分かっている証拠だろう。
それにしても、ああいう大きな動物に生きたまま食われるってのは嫌な死に方だ。
登場するなりペット屋の主人に「あんた苦労してるんじゃない?頭が薄いよ」と言われる主人公の刑事。大きなお世話だほっとけよ、というかどんな登場の仕方だ。確かにちょっと頭が薄くて冴えない風采の主人公。でもそれがかえって味になってる気もする。
ワニ退治の専門家を演ずるのが怪優ヘンリーシルヴァだ。相変わらず無駄にこめかみをひくつかせている。腕は立つのだが、常識では考えられない怪物的なワニの前ではあまり役に立たないのはこういった動物パニック映画の定石だ。だが、ヘンリーシルヴァなら素手でもワニをコロンビアネクタイに仕上げてしまいそうだが。
ワニがマンホールを突き破って登場するシーンや、通りに並ぶマンホールの列からボンッボンッと爆発炎が吹き上げるラストの退治方法は好きなシーンだ。
そしてパニック物・ホラー映画にありがちなエンディングがうれしい。
脚本のジョン・セイルズは『ピラニア』(1978)や『ハウリング』(1981)なども手がけた、後に『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』(1984)などで作家性を持つ監督としても活躍するようになる。最近の作品だと『サンシャイン・ステイト』(2002)なんか面白かった。
うーむ、やっぱり大晦日の夜は『アリゲーター』に限る。2005年の大晦日は『アリゲーター2』を観よう・・・って先の話しすぎる上に『2』はすさまじい駄作だが。

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