『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』 ザ・ロックとショーン・ウィリアム・スコットのアマゾン珍道中
『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』(2003) THE RUNDOWN 104分 2004/11/30レンタルDVDにて鑑賞
監督:ピーター・バーグ 製作:マーク・エイブラハム、カレン・グラッサー、ケヴィン・ミッシャー 製作総指揮:アラン・ビーティ、クリス・チェサー、ジョン・コーリイ、リック・キドニー、ヴィンス・マクマホン 原案:R・J・スチュワート 脚本:R・J・スチュワート、ジェームズ・ヴァンダービルト 撮影:トビアス・A・シュリッスラー 音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:ザ・ロック、ショーン・ウィリアム・スコット、ロザリオ・ドーソン、クリストファー・ウォーケン
アメリカプロレス団体WWF(現WWE)の人気レスラーザ・ロックの主演作。
ゲスト出演した『ハムナプトラ2』のスピンアウト作『スコーピオン・キング』で主役デビューしたザ・ロックは単にプロレスラーが映画出演しているだけにとどまらず着実に俳優への道も歩んでいるようである。
映画にも出演していた人気プロレスラーとなると日本の力道山やアメリカのハルク・ホーガンなどがいる。メキシコではミル・マスカラスなど人気レスラー主演映画が日常的に公開されているそうだがさすがにそれはちょっと特殊なので横に避けておく。力道山の映画は「まぁ大昔にそんなものもあった」で終わらせておくとして、ハルク・ホーガンはバート・ケネディ監督による傑作『マイホーム・コマンドー』(1991)などに出演しているがお世辞にも演技が上手いとは言えない。棒読みに近いセリフも、名前にハルクとあるように一種怪物じみた人だからそれが味にはなっているものの、固定された役柄しか演ずることが出来なかった。
オーストリア出身のためドイツ語訛りが抜けないシュワルツェネッガーや、出産時の事故のため左顔面に軽いマヒがあるスタローンといった10年ほど前の肉体派スターと比べても、リングでのマイク・パフォーマンスも有名だったというザ・ロックはセリフ回しが上手く、わたしは英語が苦手なのではっきりと判断はできないが滑舌もしっかりしている。
アメリカのプロレスはショー・プロレスで、中でもWWEは娯楽要素が強いそうなので、ザ・ロックは自分をいかに見せるかということを理解しているようだ。人々が自分に強いスター像を求めていることを察しているようだし、今後も分かりやすいエンターテインメント作品に出演するだろう。
最近の肉体派スターにはヴィン・ディーゼルがいるが、ディーゼルは少年時代から舞台に立っていたり自ら監督・製作・脚本もつとめた作品をサンダンス映画祭に出品するなどクリエイター指向が強い。そのためか、最近は『ブルドッグ』(2003)や『リディック』(2004)などストレートな娯楽映画は避けるようになっている。個人的には素直に『トリプルX』(2002)をやってりゃいいのに、と思う。
少々、ザ・ロックのことを褒めすぎな気もするがまぁいいだろ。
映画のストーリーは単純。
高利貸しの取立屋屋である主人公ザ・ロックは、足を洗ってレストランを開くための最後の仕事として組織のボスを連れ戻しにアマゾンの奥地に向かう。その地には金鉱があり、クリストファー・ウォーケン演ずるボスが現地人を奴隷のようにこき使って金を掘らせている。息子はそこで伝説のお宝探しをしていたのだ。何故息子がトレジャー・ハンターをやっているのか、何故アマゾンなのか、いちいち考えちゃ駄目だ。
あれやこれやとあった挙げ句、最後には主人公がクリストファー・ウォーケンとその部下たちと戦い、もちろん勝利し現地人を圧政から解き放つ。良くある話だ、言われなくても分かっている。でも、それでいいじゃないか。最後にザ・ロックがあっさり殺され悪人がのさばったままという話よりましだろ。それに悪が栄える現実の世界、映画の中でぐらい悪党が倒されて欲しい。
悪党のボスであるクリストファー・ウォーケンが例によっていい。この映画の成功にウォーケンの存在は大きなウェイトを占めている。かなり痩せたのではないかという感じで最初は「クリストファー・ウォーケンに良く似た奴だなぁ」と思っていた。そういえばオープニング・クレジットにウォーケンの名前があったで、ではやはりウォーケンなのかと気付いた次第。神経質さを感じさせる顔つきの中にギラギラとぎらつく感じの眼が実に迫力を持っている。喋らなくても画面を圧倒させてしまうのはさすがだ。悪役が良いと映画が締まる。なんとなく『用心棒』の仲代達矢を思わせるラストの格好悪い死に方も良い。
息子役のショーン・ウィリアム・スコットはあまり活躍せず存在感も薄い。映画を観て学んだというカンフーで敵をやっつけろよ。ああ、あれは『バレット・モンク』(2003)での役柄だったか。
そういえばシュワルツェネッガーが冒頭に一瞬だけ出てた。
「俺は銃は使わない」と素手で敵と戦うザ・ロックだが、ラストの銃撃戦では2丁拳銃ならぬ2丁ショットガンを操って敵に挑む。ただしそのショットガンがポンプアクション式ショットガンなので、腕力があれば右手・左手それぞれで構えることはできるだろうが、排莢・装填にもう一方の手が必要になる。そこでなかなか面白い方法を駆使して排莢・装填をやってくれる。こういったガンアクションは始めて観た。なかなか面白い。