『エスパイ』(1974) ESPY 94分 2004/11/20レンタルDVDにて鑑賞
監督:福田純 製作:田中友幸、田中文雄 原作:小松左京 脚本:小川英 撮影:上田正治 美術:村木忍 音楽:平尾昌晃、京建輔 特技・光学:宮西武史 特技・撮影:富岡素敬 特技・美術:井上泰幸 特技監督:中野昭慶
出演:藤岡弘、由美かおる、草刈正雄、加山雄三、若山富三郎
東宝特撮映画が相次いでレンタル化されているので、片っ端から借りてきては観ている。セルソフトとしては前から出ていたが、ほとんどはすでに観たことのある作品だし1枚5000円をさすがに買ってまで観ようとは思わない。それにしても邦画、特に東宝のDVDは高い。コアなファンしか手を出さないような値段で出してくる。逆に言えばコアなファンならこの金額でも買うだろうというあこぎな価格設定だ。安くすればいいというものではないが、購買層を広げるにはもう少し抑えるか、洋画DVDのように発売後しばらくしてから廉価版を出すなどは出来ないのだろうか。それでも最近はレンタルもしてくれるようになっただけましか。
エスパイとはエスパーによるスパイ組織の名称である。エスパー+スパイ=エスパイ。・・・怒るな、文句なら小松左京氏に言ってくれ。当時流行していた007シリーズを始めとするスパイ映画(同じ1974年には『007 黄金銃を持つ男』が製作されている)に、これまた当時流行していた超能力(ユリ・ゲラーの初来日がこれまた1974年)を盛り込んだというわけである。
こうした単純な足し算で面白い物を作ることが出来れば制作者は何の苦労もいらないわけだが、もちろん例えば美少女+メイドは必ず売れるといった具合に簡単な物ではなく、この映画もスパイと超能力という要素が上手く噛み合わないまま終わっている。
海外ロケや特撮もがんばっているのは感じるのだが、それが映画の中で浮いているし予算の少なさも随所で感じられる。同じ小松左京原作でも『復活の日』(1980)の海外ロケは有効に生かされており、なんだかんだいって当時の角川春樹は製作者として有能だったのだろう。日本を舞台にした映画と世界を舞台にした映画では作り方からして違ってくるということで、もちろん田中友幸氏の悪口を言っているわけではない。
子供の頃にテレビ放映で観た時にはわりと面白かった記憶があるのだが、今改めて観直すとかなりトホホではある。
それでも髪の毛フサフサでひたすら熱い芝居の藤岡弘や胸を露わにするお色気シーンのある由美かおると、年を取らん人たちだな~と感じる。テレキネシスを操る草刈正雄はいいとして、エスパイのボスが加山雄三ってのはどんなものだろうか。息を詰める緊張したシーンでいきなりギターを手に窓辺に腰掛けて「君が~うんたら、海の~からんたら」と歌い出しそうな様子だ。
主人公たちが超能力者ならば敵ももちろん超能力者。その名も“逆エスパイ”!・・・怒るな、文句なら小松左京氏に言ってくれ。