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『フラバー』 真のヒロイン“ウィーボ”

『フラバー』(1997) FLUBBER 95分 1998/03鑑賞

監督:レス・メイフィールド 製作:ジョン・ヒューズ、リカルド・メストレス 脚本:ジョン・ヒューズ、ビル・ウォルシュ 撮影:ディーン・カンディ 音楽:ダニー・エルフマン
出演:ロビン・ウィリアムズ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、クリストファー・マクドナルド、レイモンド・J・バリー、クランシー・ブラウン

1961年のディズニー実写映画『うっかり博士の大発明』のほぼ忠実なリメイクである。ものすごい弾力を生み出すゲル状の物質“フラバー”の描写はCGでパワーアップしているが基本的なストーリーはほぼ同じだ。
一つ大きく違うのは主人公フィリップの秘書ロボット“ウィーボ”の存在だろう。直径40センチぐらいの円盤形をしたこのロボットは性格が女性的属性で、実は主人公を密かに恋している。だからスケジュールを尋ねられた時に、彼が恋人との結婚式の予定をすっかり忘れているので、これ幸いとよそ見をしている時を狙ってディスプレイに「本日、午後6時半から結婚式」と表示するのである。ロボット三原則が組み込まれているのかは知らないが、たしかにウィーボはフィリップに嘘はついていない。“たまたま”フィリップが見ていなかっただけだ。
ディスプレイには感情表現として時折映画やカトゥーン(アニメ)の映像が表示される。叫んでいる女性のシーンや騎兵隊の突撃シーンなどで、顔を持たないロボットの感情表現として単にディスプレイに顔の絵や記号などを使うのは面白いアイディアだ。ただ、「有名な映画から引用してるから、それぞれの作品を当ててみろ」といったいかにもさがあるのも事実だ。脚本・製作がジョン・ヒューズだがおそらくこの厭らしさから察するに彼のアイディアではないだろうか。
色々あってフィリップと恋人との結婚は破談になり、フィリップはウィーボに「もういいんだ、僕には君がいるから」と寂しげに告げる。その夜、ウィーボは家を抜け出しフィリップが本心を告白したメモリーと共に恋人の家へと向かう・・・
いやー、もうウィーボには泣る。アメリカの映画や小説などに登場するロボットとはひと味違い、そうこれは非常に手塚治虫的なロボットである。日本人ほどロボットに愛着を持つ民族はいないといわれるが、それは手塚治虫を始めとしたクリエイターたちによって「ロボットにも感情があり、人間の最大のパートナーになれる」という思想が広まっているせいだろう。
もう一台家事担当のロボットもいるが、こちらは人間の言葉を話すことができず、ピーガー言うだけで出番も少なく活躍もしない。ウィーボがアトムないしロビタだとしたらこちらはR2-D2的存在か。

靴の裏に塗れば何メートルもジャンプが可能で、なんとガンマ線を当てることで(そんなもんほいほい当てるなとも思うが)車を空に飛ばすこともできる世紀の大発明“フラバー”。
しかしその発明前からウィーバーは音も立てずに宙を飛んで移動しているのだが、あの飛行方法やエネルギーは何なんだろうか。勝手に踊ったり暴れ回ったするフラバーよりもウィーバーの方がずっとすごい大発明だろう。

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