星新一のショートショート『きまぐれロボット』が全10話で短編アニメになり、yahoo!JAPANで無料配信されるそうだ。
思えば中学一年生の時、学級文庫にあった『ようこそ地球さん』を放課時間に何の気はなしに手にとって読み始めたらこれがもう止まらない。授業が始まったが文庫本を教科書に挟んでそのまま読み続け、先生にばれて頭を平手で一発パコーンと叩かれた。
後になって「いや平手ではなく拳骨だった」とか「一発ではなく何発もだった」とか先生が泣きながら記者会見を開いたりするわけだが、こんな時事ネタは2週間もすれば寂れてしまうのだろう。
だから基本的に時事ネタは扱わないのだが、それはそれとして、今でもそうだが「本は図書館で借りるよりも買って手元に置いて読む」主義だったので中学生の乏しいお小遣いはどんどん星新一の本に変わっていった。電車で名古屋まで出かけて古本屋巡りをして何冊も買い込んだ。新刊との差額を考えると安くはない名鉄の電車賃を出しても十分元が取れたのだ。特に、星新一の本は比較的古本として出回る率が高いようで、めぼしい本は揃えることができた。
新潮文庫の例の黄緑色の背表紙がずらりと並び、それに講談社文庫の黄色い背表紙が混ざっていたりした。中学時代に星新一の著作と出会わなければその後の読書量はもっと少ない人生になっていたことだろう。感謝である。
『きまぐれロボット』はおそらく読んでいると思うのだが、「ロボット研究者の「博士」と「助手」を中心におこるさまざまな出来事を描いた作品」という説明を読んでもさっぱり思い出せない。星新一にしては珍しい連作のようだ。発行が角川書店というのも星新一としては珍しい。
わたしは1992~1994年にかけて東京都品川区の大崎に住んでいた。その四畳半風呂なしトイレ共同のアパートから歩いて10分ほどのところに日本一長い商店街“戸越銀座”がある、星新一氏はその近くに住居を構えていたそうだ。星氏が父・星一から受け継ぎ倒産処理を行った星製薬の跡地は現在TOC(東京卸売りセンター)となってこれまた徒歩10分ほどの距離だし、星製薬の社内教育部が原点の星薬科大学は戸越銀座の近く。星氏とは縁の深い土地なのであろう。
休みの日などには戸越銀座へと買い物に出かけていたので、ひょっとしたら一度ぐらい氏とすれ違っていたのかも知れない。あの白髪の紳士がそうだったのかも、などと思うとなにやら感慨深い。
アニメでは博士役をお笑い芸人コンビ・インパルスの板倉俊之と、助手をグラビアアイドルのMEGUMIがそれぞれ担当するそうである。
うーむ、誰?MEGUMIという名はまだ聞いた記憶があるが、インパルスって何?何っていやお笑いコンビなんだろうが知らん。有名なのか?ほんと、芸能界にはうとい。まぁ、それでなにが困るわけでもないし別にいいのだが。