荷物を預けた後はほっと一息を入れる暇もなく手術に関する検査の連続だった。
10時少し前に一枚の用紙を渡され、そこには行う検査の順番とわたしの名前、バーコードが書かれていた。院内を案内図に従って次々と検査室を移動し、そこで用紙を提出すると担当者がバーコードをリーダーで読み込む。まるでオリエンテーリングのようだ。
まずはX線写真。立ったまま胸部と腹部をそれぞれ一枚ずつ。横になって腹部を一枚。
続いて採尿だがこれは詳細を省略、採血室へと進む。採血室の奥には検査室が見え白衣にマスクをした検査員が遠心分離器などで血の検査をしているのが見える。
肘の内側に注射針が刺されピューット吹き出した血が真空採血管に溜まっていくのを眺める。人によっては目を背けてしまうのだろうけど、わたしはこの光景が結構好きだ。うむ、自分の体には血が流れているのだな。静脈採血だからどす黒いけれど、青や緑ではなくちゃんと赤い血だ。1本目の採血管が抜かれ2本目に替わる、結局4本も取られてしまった。普段採血される時は2本かたまに多くて3本だったが4本というのは初めてだ。4本合わせても献血で取られる量よりは少ないだろうが。
次は右の耳たぶにちょっと傷を付けられ血が止まるまでの時間を計測。自分では見えないが、正常値だったそうだ。
続いて心電図を計る。横になって手首・足首と胸に電極をつけ測定。で、終了。
X線、採尿、採血、心電図の検査が終わった時点で時計は10時20分。30分と経っていない。早っ!てっきり短くても午前中いっぱいはかかると思っていたのだが。用紙についているバーコードは病院のシステムが電子カルテになっておりその管理用だろう。検査の数の割に時間はかからなかったのは電子カルテのおかげもあるのだろうか。
便利な反面、わたしの主たる肉体状況が数値化され一括管理されているわけで、外部からの不正アクセスでその情報が流出するおそれなど危険性もある。もっとも、わたしの血糖値や体温を知ってどうするんだとも思うが、やはり関係のない第三者にデータを見られて気持ちのよい物ではない。
その後はCTスキャナなのだがこれは機器も大がかりなためか予約制になっておりその時刻が11時。ぼんやりと待つにはちょっと時間があったので病棟に戻って荷物から『レインボー・シックス第4巻』を取ってくる。トム・クランシーのこの著作は『レッド・オクトーバーを追え』などのジャック・ライアン物と比べるとだいぶ読みやすくなっている。初期のは本当に軍事オタクが趣味で書いたという感じで、ストーリーやキャラクターよりも兵器や軍という組織、出来事、そして露助はクソ野郎ということだけで構成されていてわたしには面白く感じなかった。
西側各国合同の対テロ特殊部隊“レインボー”の活躍には胸が躍ったが、ラスト近くは「お前らはそんなに偉いのか」といった具合で小説としての面白みよりも「テロ許すまじ」というメッセージのために書かれた感じで結局はトム・クランシーだなとうんざりしてしまった。
主人公の一人が途中で自分とジェームズ・ボンドを比べて「007の映画でボンドが寝ているシーンなどあっただろうか」とボンドのリアリティの無さを指摘するシーンがある。トム・クランシーとしてはこれで自分のキャラクターに血肉が通っていると思わせたかったのだろうが、人間としての薄っぺらさはどのみち大して変わりはしない。だったら、ちゃんとエンターテインメントしている007の方が勝ちだろうという気もするが。
コメント (2)
お返事嬉しいです!
私も針入れられるところとか、採血されているのを見るの結構好きです。眉間がモヤモヤしながらもじーっと見入っています。で、4本ですか?たくさんですね。何の検査をしたかご存知ですか?
なるほど...全身麻酔でしたか。話したお医者は局部麻酔で大丈夫、でも点滴で眠ることになるけど、といっていました。あ”~、緊急手術はやむを得ないけれど、そうでもないのに切られるのは、やはり緊張しますよね。私も手術台には結構乗りましたが最後に乗ったのは19年前ぐらい...。
映画のことでなくてごめんなさい。
Posted by: リリー | 2004年10月13日 11:53
日時: : 2004年10月13日 11:53
血液検査に関しては「ちょっと肝臓関係の数値が良くないですが、他は正常値です」と言われただけですね。
いくつか検査を受けましたが、大きく分けると
・ヘルニアについての検査
・手術のための身体検査
ですが、血液検査や後日紹介する肺機能の検査はおそらく手術に備えての検査でしょう。
体力などの健康面、麻酔や術後投与の抗生物質への反応などを調べているのだと思います。
純粋にヘルニアだけの検査はエコー(超音波)だけじゃないですかね。
>映画のことでなくてごめんなさい。
ここのトップサイトが雑多的文化会館といいまして、映画が中心ですが興味のある物は大概扱うというそのまんま雑多についてのサイトですからお気になさらずに。
Posted by: 東森時音 | 2004年10月13日 20:59
日時: : 2004年10月13日 20:59