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手術しませう 白線ヘルニア

ヘソの左上側になにやら500円玉程度の大きさの膨らみが出来た。端はなだらかな傾斜を描いているが高さもほぼ500円玉の厚みかもう少し厚いぐらい。押すと引っ込むのだが、しばらくするとまた出てくる。
これはひょっとしてヘルニアだろうか、と思いつつ思ってるだけだと進展がないので素直に医者に行った。
「ヘルニアですかね?」
「ヘルニアですね。白線ヘルニアです。投薬などでは直せません。手術しましょう」
「手術というとあれですか先生、お腹を斬るんですか、鋭いメスでお腹を斬るですか、血が出ますかドバッと出ますか」
と慌てふためくわたしに、医師は冷静に白線ヘルニアと手術についての説明を始めた。
「腹膜に裂け目が生じてそこから腸がはみ出しているのです。いわゆる脱腸ですな」
「「訴えてやる~」ってギャグのコメディアンですか」
「それはダチョウ倶楽部です。しょうもない事を言わないでちゃんと聞いてなさい。このまま放っておくと腸閉塞や腸管壊死につながる恐れがあります。そこで治療のためにお腹を斬りましてその穴を塞ぐのです。自前の組織を縫い合わせるのが基本ですが、それで間に合わなかった場合は人工のメッシュ素材を埋め込みます」
「なるほど、メッシュならば風通しが良くて夏場でも涼しい」
「お腹を斬ったままにしてどうしますか。ちゃんと縫い合わせます」
「どうせならメッシュじゃなくて1ドル銀貨になりませんかね。銃で撃たれたけど運良くそこに当たって助かるとかって」
「なりません。それから、部位が上半身側になりますので下半身麻酔ではダメです。そこで全身麻酔になります」
「・・・全身麻酔ですか。あれってたまに事故の話を聞くのでちょっと怖いんですが」
「大丈夫です。当病院には有能な麻酔医がいますから。では、10月6日から入院してください。2日間でCTスキャンなどの検査をし、10月8日に手術です。それから1週間ほどして傷口が塞がったら退院です」
「分かりました」

という具合でトントン拍子で入院手術が決まってしまった。
ヘルニアといえばマンガ『ブラック・ジャック』で知的障害を持ったデベソ(臍ヘルニア)の少年が登場する話があった。勉強は全くダメで薄らバカなのだが、地面を掘ると石器やら化石やらを高確率で見つけ出すという才能の持ち主だった。ブラック・ジャックによってヘルニアは手術で取り去られるのだが、発掘中だった恐竜の化石の現場に嵐が襲ってきて・・・
うむむ、いい話なのだがちょっと縁起が悪い。
だが、他にヘルニアの出てくる作品は思いつかない。椎間板ヘルニアってのはまた全然別の病気だし。

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