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『トム・ゴードンに恋した少女』 あるいは“謹呈 訳者”

古本屋でスティーヴン・キングの『トム・ゴードンに恋した少女』を買ってきて読んでいたらページの間からしおりが落ちた。拾ってみるとなにやら文字が書いてある。
“謹呈 訳者”
うむむ、この本は訳者の池田真紀子氏が誰かに贈った物だったのか。
古本と言っても状態は良くせいぜい帯にちょっと切れ目が入っているぐらい。新刊書店に並んでいたっておかしくない美本だ。2002年8月の初版で、そんなに多くの人の手を経てきたとも思えず、ひょっとすると前の持ち主が池田氏と関わりのある人だったのかもしれない。せっかくもらったんだから売るなよ。

『トム・ゴードンに恋した少女』は一般的には長編だが、キング作品としてはむしろ中編にあたるだろう。比較的肩の力を抜いて書かれた印象だ。9歳の少女が自然公園の遊歩道で家族とはぐれてしまい荒野でのサバイバルが描かれる。雨やスズメバチ、空腹などが少女に襲いかかるが、その中に“邪悪な存在”が入っているのが例によってキングである。

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