『エイリアン・ネイション』(1988) ALIEN NATION 1989/7/4鑑賞
監督:グラハム・ベイカー 製作:ゲイル・アン・ハード/リチャード・コブリッツ 脚本:ロックニ・S・オバノン 撮影:アダム・グリーンバーグ 音楽:カート・ソベル
出演:ジェームズ・カーン/マンディ・パティンキン/テレンス・スタンプ/ケヴィン・メイジャー・ハワード/スリー・ビーヴィス
『ゴッドファーザー』(1972)や『ローラーボール』(1975)など1970年代に活躍がめざましかったジェームズ・カーンだが、1980年代に入ってからは低迷が続いていた。そんな彼の主演復帰作がこの『エイリアン・ネイション』である。
近未来、アメリカに巨大宇宙船が墜落し、その中には多数のエイリアンが乗っていた。
エイリアンたちとコンタクトを進めるうちにさらに驚くべき事実が明らかになる。エイリアンたちはより高度な生命体によって遺伝子改造され“奴隷”として生み出された種族だったのだ。奴隷として最適化された彼らは、生まれつき力が強く、頭は賢く、そして忍耐深く従順だった。
ただし、創造的な仕事は不得意で、知識も労働に必要な事柄だけで学問として根本を理解してはおらず、宇宙船を操作することは出来るがそれを作り出すことは出来ない。そのため、もはや大破した宇宙船を修理することもかなわない。
時のアメリカ大統領は、流浪の民となった30万人のエイリアンを“ニューカマー(新移民)”として受け入れることとした。
そして、三年の年月が流れた。
という設定で映画は始まる。
なんでも『DearS』というコミック&アニメがこの設定そのまんまだと聞く。ちょっと調べてみたところ“ホント、そのまんま”だ。
せめてものオリジナルとして“エイリアン”が“美少女・美少年”揃いになっているが、それをアイディアと呼んで良いかは個人的に躊躇するところだ。まぁ、勝手にしてくれ。
閑話休題。
設定だけ見るとSFのようだが、実体は刑事映画の相棒映画(バディ・ピクチャー)である。
主人公のジェームズ・カーンは新移民嫌いな偏屈者だが腕利は確かな刑事。相棒の刑事(人間)とパトロール中に強盗と出くわし銃撃戦になる。相手が持っていた特殊な大型ライフルで相棒は射殺され、さらにそのまま取り逃がしてしまう。
ジェームズ・カーンはこの強盗殺人事件の捜査から外された上に、新しい相棒として新移民の刑事マンディ・パティンキンと組まされる。上司に無断で捜査を続ける内に、新移民とある薬物の関係が浮かび上がってくる。
果たして真相は・・・
異なる価値観を持つ者同士がコンビを組んで仕事をし次第に互いを認め合っていくのは、『リーサル・ウェポン』(1987)-家族持ちで定年間近な黒人と妻を亡くした若い白人のコンビ-や『レッドブル』(1988)-ソ連のガチガチ頭なモスクワ警察官とシカゴ警察のはみ出し刑事-などでお馴染みのシチュエーションだ。
この作品もエイリアンとなってはいるが、実際にはラテン系の俳優マンディ・パティンキンの起用や麻薬問題からも分かるように、国境を越えて大量密入国してくるメキシコ人がそのイメージだろう。
新移民嫌いなジェームズ・カーンが中盤で相棒と酒を飲み明かした途端、親しくなってしまうのは少々脚本の詰めが甘い気もするが、新移民にとって“腐りかけの牛乳”が人間におけるアルコール類の働きをするという抜群のアイディアが挿まれているので良しとしよう。「うぇっ」とくるかもしれないが、酒だって小麦や米、竜舌蘭などが腐って(発酵して)できているのだから考えてみれば同じような物だ。
新移民は海水が大の苦手で、濡れると溶けてしまうというのは『トリフィドの日』(映画化名『人類SOS!』)からのいただきだろうか。案外『オズの魔法使』かもしれない。
そう考えると『DearS』とやらの『エイリアン・ネイション』からのいただきもアリなのかなぁ・・・なんて言うと思ったら大間違いだっ!
コメント (1)
ジェームズ・カーン好きです。70年代なかなかでしたよね。フリービーとビーンの大乱戦 のようなハチャメチャなコメディぽい演技も好きです。キラーエリートはとんでもない作品でしたが(笑)でも好き。コミックだったんですね。初めて知りました。
Posted by: けん | 2008年02月24日 10:26
日時: : 2008年02月24日 10:26