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『亡国のイージス』 クランシー風?

『亡国のイージス』上下巻 福井晴敏 講談社文庫

『平成ガメラシリーズ』などで特撮を担当した樋口真嗣が初監督を勤める『ローレライ』
原作があるというのでとりあえず読んでおこうかと思ったが、ハードカバーしか出ておらず上下巻合計で3780円と高い。まだ読んだことのない作家にはちょっと出せないなと、とりあえず文庫になっている『亡国のイージス』上下巻を購入。こちらも合計1760円なんで少々迷い、『川の深さは』(680円)にしようかとも思ったが、日本冒険小説協会大賞作とのことなので『亡国のイージス』にした。
家に帰るとさっそく読み始めた。最初の一ページ目でなにやら違和感を感じた。何故だが読みにくさを感じる。座り心地の悪さを感じながら、ようやくと序章・第一章である221ページをとりあえず読み終えた。

・・・この本って、つまらないんじゃないだろうか?

暗い過去を背負わせれば人物描写に厚みが出ると単純に勘違いしているようだし、単語だけを書き並べて画が浮かんでこない情景描写、そして堅苦しくしただけで実はジュニア小説とさほど変わらない文体。
単に好みではないだけかもしれないが、全体から鈍重さを強く感じさせ、読んでいてとにかく気が重い。
セリフに魅力が無い上に個性もないので、誰がしゃべっているのか分かりにくい。別に“個性”といっても語尾に「にょ」とか「だっちゃ」を付けてキャラを立たせろってわけじゃなく、その人物だったらどうしゃべるかってだけのことなんだが、頻繁に回想シーンを入れて登場人物の過去を語るよりもむしろ重要だと思うのだが。

著者曰く「ハリウッドのアクション映画に憧れ、その醍醐味を表現する手段として小説を選んだ」というが、この粘着・偏執さのどこにハリウッドのエンターテインメントを感じ取れというのだろうか。
スマートさに欠ける点、出来事先行で人物描写に魅力が欠けおろそかな点など、あえて例えるならトム・クランシー風ではあるが、そういえばトム・クランシーは嫌いな作家であった。

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