« 『デルタフォース3』 ニック・エリック・マイク | メイン | マルクス兄弟主義者は今日も行く »

『タイムトラベラー きのうから来た恋人』 35年を経て、地上へ

『タイムトラベラー きのうから来た恋人』(1999) BLAST FROM THE PAST

監督:ヒュー・ウィルソン 製作:レニー・ハーリン/ヒュー・ウィルソン 脚本:ヒュー・ウィルソン/ビル・ケリー 撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ 衣装:マーク・ブリッジス  音楽:スティーヴ・ドーフ/スティーヴ・ティレル
出演:ブレンダン・フレイザー/アリシア・シルヴァーストーン/クリストファー・ウォーケン/シシー・スペイセク/デイヴ・フォリー

 1962年といえば世界が最も核戦争に近づいた年。ソビエト連邦がキューバに核ミサイル配備を配備し、それに対しアメリカ合衆国の大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディは開戦も辞さずの強硬姿勢を取った。いわゆる“キューバ危機”である。
 “キューバ危機”についてはケヴィン・コスナーの『13デイズ』(2000)を退屈さを我慢しながら観ると「ある程度」は解る。つまりある意味でのアメリカ的視点については。ソビエト連邦やキューバの立場はまた別でそれぞれ言い分もあるだろうが、どのみち「映画はすべからくフィクションであるべきだ」なんで『13デイズ』もそもそも事実そのものじゃない。
 ともかく世界は緊張し、人々は核戦争におびえ、ロスアンゼルスのある科学者は妻と共に核シェルターにもぐった。
 そして、核戦争が実際には起きなかったことを知らないまま時は過ぎ、シェルターの中で生まれ育った青年がついに地上に出てくるのである。
 35年の年月を経て。

 60年代の価値観の男が現代に現れて起こる一騒動。
 「I love Sushi.」と寿司(Sushi)を勧められるが、寿司を何だか知らないので思わず「I love Lucy」と返す。60年代のアメリカ人は寿司なんか知らないというのと、スシと1950年代のアメリカのホームコメディ番組『アイ・ラブ・ルーシー』をかけたギャグになっている。ま、いわゆるカルチャーギャップ・コメディである。
 ポール・ホーガンがニューヨークに来る『クロコダイル・ダンディ』(1986)とか、ジャッキー・チェンが香港からロスアンゼルスに来る『ラッシュ・アワー』(1998)とか、マイケル・ダグラスがニューヨークから大阪に来る『ブラック・レイン』(1989)とか。最後のはコメディじゃないだろって気もするが。
 ともあれ、違う文化の場所に行ってそのギャップから笑いを生み出すのがカルチャー・ギャップコメディなんで、それが土地じゃなくて時間でも成立するわけである。逆に現在から過去に行く『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)もコメディという視点からではここに分類される。

 ある意味究極の世間知らずのお坊ちゃんを演ずるのはブレンダン・フレイザー。『ハムナプトラ』(1999)とはだいぶ印象が違う。というか、わたしの初観ブレンダン・フレイザーは『原始のマン』(1992)だったんで、『ハムナプトラ』の時が「印象が違う」だったんだが。

 父親役はクリストファー・ウォーケン。変人の科学者が案外似合っている。ただ、ドクター・ペッパーをホットにして飲むのはどんなもんだろう?変わった味がさらに変わった味になって裏の裏は表で美味しくなるのかも。誰か試してください。えっ、わたし?いやー、うちの方じゃドクター・ペッパーは売ってなくてさぁ。ほんと残念だ、手に入れば絶対やってみるのに。いやー、ほんとどうして売ってないかな~。てなことを書くと誰か送ってこないかな。

 クリストファー・ウォーケンはシェルターに入る前に株を持っていた。それを誕生日に「もう価値はない物だかな」と言いつつ息子に送る。
 その株券を地上の人が見てびっくりする。当時は安値だったのが今では成長して大企業になり、株はすごい価値になっていたのだ。
 「IBM、AT&T、ポラロイド!」
 ポラロイド?ポ、ポラロイド!? ・・・・・・・・・2001年に破産したじゃんか・・・
 なんつーか、1999年の時点ではスピード現像屋などはあったもののまだ大企業ではあったわけだ。それがほんの2~3年で諸行無常の響きありだな。
 うーむ、もう2~3年したら「あっ、IBM!?」とか思ってるのかも知れない。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/3901

コメントを投稿