『カウチポテト・アドベンチャー』(1992) STAY TUNED 1993/7/4鑑賞
監督:ピーター・ハイアムズ 脚本:トム・S・パーカー/ジム・ジェンヌウィン 撮影:ピーター・ハイアムズ 出演:ジョン・リッター/パム・ドーバー/ジェフリー・ジョーンズ/デヴィッド・トム/ヘザー・マコーム/ユージン・レヴィ
あまり有能とは言えないセールスマンは仕事と生活にすっかり疲れていた。妻と二人の子供にも無関心で、テレビを見ることだけが彼の楽しみだった。ところが、人間に化けた悪魔が今に大型テレビを備え付けてしまい、スイッチを入れたとたん夫婦はテレビの中に吸い込まれてしまう。『ウェインズ・ワールド』のウェインとガースがミイラになってホストを務める音楽番組など、すっかりイカれた番組が次々と代わり、二人はその中を漂流する。
家に帰ってきてことの次第を知った兄妹は、両親を助けようとテレビや庭に設置された巨大パラボラアンテナを操作する。
フランス革命の番組で貴族役になった両親は、民衆に追いつめられギロチンにかけられることになる。このままでは命が危ないと勇気を振り絞った父親は、剣を取ると学生時代に選手だったフェンシングの腕をいかして危機から脱出。そしてようやくテレビの中から抜け出すが、妻だけ取り残されてしまう。彼は再びテレビの中に戻り妻を取り返すため悪魔と対決し、ついには悪魔を倒す。
その後、彼は自分に合わなかったセールスマンの仕事を辞め、フェンシング教室の教師になった。そしてもうテレビにのめり込むことはなかった。
アメリカはケーブルテレビが普及しており、100チャンネル以上もの多チャンネルが一般化しているそうだ。視聴者の嗜好に合わせて、ドラマ専門・ニュース専門・映画専門・テレビショッピング専門チャンネルなど様々あり、伝道師の説教ばかりを流している宗教専門チャンネルまであるそうだ。日本ではケーブルテレビよりも通信衛星放送のスカイパーフェクTV!によって多チャンネル化が行われたが、まださほど普及率は高くないだろう。「テレビはタダ」という意識が強く視聴料に対して抵抗があるのだろう。もっとも、“タダ”に思える民放も普段の買い物で支払っている代金の一部が、企業からテレビ局へ広告料として流れて成り立っており決してタダはない。テレビを見ない人からも無断かつ強引に徴収しているわけで、NHKの受信料を不払いしているぐらいだったら、こちらを問題にした方がいいのでないだろうか。
家に帰ってきたらすぐテレビのスイッチを入れ、テレビを見ながら晩飯を食い、その後はビール片手にカウチに座ってテレビを見て、後は寝るだけといったような人物は時折映画や小説に登場する。魅力的な人物として描かれていることはまずない。そもそも映画や小説はテレビに対して皮肉めいた視線を取ることが多い。
悪魔がスーツの袖もとからジャキッとテレビのリモコンを飛び出させるのが妙にイカしている。
両親が飛び回っている色々な番組はテレビや映画のパロディになっているのだが、これはそれほど笑えるというものではなかった。映画はまだしもテレビ番組だと元ネタが分からないというのもある。