『トロイ』(2004) TROY
監督:ウォルフガング・ペーターゼン 脚本:デヴィッド・ベニオフ
出演:ブラッド・ピット/エリック・バナ/オーランド・ブルーム/ダイアン・クルーガー/ショーン・ビーン/ブライアン・コックス/ピーター・オトゥール
歴史大作といえばたいていが大味。
でもって監督のウォルフガング・ペーターゼンがおおざっぱな演出の人。
よって映画もおおざっぱ。
『トロイ』ですけどね。
でも、大作を監督するにはある程度おおざっぱな人がいいでしょう。
1000人ほどエキストラを集めた合戦のシーンで、「雲の形が気に入らないから今日は撮らない」と来た日にはプロデューサーやスタッフはてんやわんやです。
そして、美術・衣装そして役者を完全に自分の管理下とするには、規模が大きすぎてストレスがたまり監督の胃に穴が開くこと間違いなし。
トロイの王子がスパルタ王族の奥さんと不倫した上にトロイへ連れ帰ったことが全ての発端。
それで国を滅ぼされたんじゃ、トロイの民は大迷惑。上がアホだと下は苦労しますね。
アキレス(ブラッド・ピット)と一騎打ちをするヘクトル役はエリック・バナ。この人が実質的主人公です。ハルクの変身前をやってた人なので、ヒゲなど生やしても首の細さがきゃしゃを感じさせて却って良かったですね。
ブラッド・ピットのアキレスは準主役というかゲスト出演に近いですね。大男をすれ違いざまの一太刀で倒してしまう豪傑ぶりです。でも、たった一つだけ弱点があるんですよ。それは足の下の方、そう“弁慶の泣き所(向こうずね)”です。・・・・・・・・・あれ?ちょっと違うか?
他の合戦シーンは大軍と大軍がどっかんどっかんぶつかり合うだけ。芸もなくやはりおおざっぱ。
そもそもトロイア戦争ってのはトロイが城壁の中に引きこもって、もとい立てこもって籠城してしまう。スパルタは何年かかっても攻め落とすことが出来ず、そこで兵士を忍ばせた木馬を策略を持って城内に送り込み内から攻めてようやく陥落したという話。
なんでそれが実質3日間になるのやら。
『ぼくらの七日間戦争』(1988)のガキどもだって7日間も立てこもって戦ったのに、その半分程で敗れてどうしますかトロイ。そんなんだから「あの国はトロいなぁ」と言われるんですよ。
ま、トロイア戦争史は史実というより伝説・神話ですから、問題ないといえば問題ないのかもしれません。関係者もとっくにお亡くなりになられていることですし。
和平に持ち込もうとする者の意見を退け、トロイの城壁の堅固さを信じて開戦へと決断を下す、頑迷なトロイの老いたる王プリアモスを演じたピーター・オトゥールはさすがに上手い。
しかし、大騒ぎで奪い合うほども美女かね、あれが。