『ホワイトアウト』(2000) 監督:若松節朗 原作・脚本:真保裕一 脚本:長谷川康夫/飯田健三郎 出演:織田裕二/松嶋菜々子/佐藤浩市/石黒賢/吹越満/中村嘉葎雄/平田満 古尾谷雅人
よーするに『ダイハード』のパクリ+『クリフハンガー』のパクリ。
以上、終わり。
で終わってもいいんですが、それにはちょっと惜しいところも。
1.アップが異様に多く、バストサイズのカットが中心。しかし、それはテレビのカットサイズであって、映画のそれではないんですね。映画ではもっと引く。アップなんてめったに使わないんだってば。テレビで撮ってきた監督なんですが、テレビの感覚で撮ったんならば勉強不足。ビデオ化やテレビ放映のことを考えてならば本末転倒。
2.人質を捕られているのに緊張感がない。ダムの職員が数人、および下流の25万世帯がダムの放水によって人質になっているのに、それがドラマ作りにおいてあまり緊張感を持っていない。テロリストが結構気楽に人質を殺していくんですが、主人公の富樫(織田裕二)がそれに対して怒りを感じているように感じられない。自分の仕事仲間だろうに。
『ダイハード』でマクレーンが今日会ったばかりの人が殺されたこと対して怒りと救うことの出来なかった無念さを感じているのとは対照的だ。
3.一度ダムから逃げ出した富樫が、再びダムに戻っていく理由がわからない。小説では富樫が戻って行く理由がわかるんですが、映画ではさっぱり。富樫のセリフで無理やり説明してるけど、納得できないっすね。突き詰めれば、作中を通しての富樫の行動原理が分からない。
何故、一介のダム職員がテロリストを相手に戦わなければならないか?
その理由を描ききれていません。これって最大の欠点では?
4.ダム内部と、警察などの外部の動きがつながっておらず、まったく別の話のようである。
全体をとらえてみれば、スケールの大きいところもあり、銃なんかも上手く使っていて(でもテロリスト=AK47ってのは10年前の感覚ですし、ダムの内部というコンクリートで閉ざされた空間で高速小口径のアサルトライフルを使うと、おまけにおそらくFMJ弾でしょうから跳弾しまくるんじゃないでしょうか)、決してけなすだけの作品ではなく、観るべきところもあります。
しかし、テレビの臭いが プンプンしてくるように感じるのは偏見でしょうか?
わたしは映画が観たいんですが。
役者の演技もテレビレベル。納得できるのは佐藤浩一ぐらいですかね。
ドラマを描くならきっちり力を入れて描く。アクション映画にするならきっちりアクションにする。どっちつかずに終わっています。
でも、がんばってるところはがんばっている。ここらへんが評価の難しいところ。
監督は大したことないけど、いいスタッフがいたってことかもしれません。ほんとは単に 『ダイハード』のパクリではなくて、ちゃんとそこから捻っています。
でも、つまりませんでした。
ラスト、ダムにセットされた爆弾のリモコンスイッチ。コンクリートの中に仕掛けられた爆弾なのに、数キロ先から動作するか、普通。そんなに電波が届かないだろうし、届いてもコンクリートで遮られるだろう。
携帯電話だって圏外なくせに。
何しに出て来たんや、平田満。