« 『VERSUS』 | メイン | 『漂流街』 »

『バトル・ロワイアル』

『バトル・ロワイアル』(2000) 監督: 深作欣二 製作:片岡公生/小林千惠/深作健太/鍋島壽夫 脚本:深作健太 撮影:柳島克己 出演:藤原竜也/前田亜季/山本太郎/栗山千明/柴咲コウ/安藤政信/ビートたけし

*公開時に執筆したもの。いまでもさほど感想は変わっていない。

公開初日に、早速観てきましたぞ。

一郎「あれ?今日は仕事じゃなかったんですか?」

仕事が終わってから行った。だから映画が終わったらもう午後11時近く。でも、そんな疲れなぞ忘れさせてくれるようなスゴイ映画だった。
もう70歳の深作欣二がどうしてこんなエネルギッシュな映画が創れるんだろう?
しかも、すごく繊細で緻密なんだ。
役者がいいぞ。主役の二人藤原竜也と前田亜季もいい。それから山本太郎はおいしい役だったね。かっこよかった。
そしてなによりも教師キタノことビートたけし。この映画、ビートたけしが出ていなかったら、もっと違っていた作品になっていたと思う。
その他のちょっと驚いた出演者では、タケシと電話で話している声が前田愛だったり、バトル・ロワイアルについて説明するビデオのお姉さんが宮村優子だったりする。

国会で問題になるなど、色々な意味で話題になっている映画だけど、生きること、そして死ぬこと。人を殺すこととはどういうことかについて語っている。
娯楽映画でもあり、考えさせられる映画でもある。
中学生同士が殺し合うという話題先行でもいい。前田亜季目当てでもいい。
どんな理由でもいいから、一人でも多くの人に『バトル・ロワイアル』を観て欲しいな。
ってゆーか観ろ。観るんだ~。

一郎「セコいあんたが700円もするパンフレットを躊躇もなく買ってきましたもんね。よっぽど気に入ったんですね」

うん。そろそろ今年も終わりだが、今年のナンバー1は『バトル・ロワアヤル』で決まりだな。
久々に『いつかギラギラする日』(深作監督作品)を観たくなってレンタルビデオで借りてきてしまった。
これから観るんだ~。明日は休みだから夜更かしだい。


『バトル・ロワイアル』その2

一郎「あれ、また『バトル・ロワイアル』ですか。

うん、あの映画についてはかなり語りたいことがある。
今日は原作と映画の関係についてだ。

最初にはっきり言ってしまえば高見広春氏の『バトル・ロワイアル』は映画『バトル・ロワイアル』にとって、原作というより限りなく原案に近い。原作を徹底的に解体して無駄な部分を削り取り、一から再構築したのが映画の脚本なんだ。 あらすじは同じだけど、個々の部分を見ていけばまるで違うものなんだよね。ちなみに脚本を書いているのは、深作欣二の息子深作健太だ。

まず、原作では何人かの生徒について、彼らが背負っているものや過去について触れられているけど、映画において詳しく描かれるのは主人公の七原一人だけ。
その理由としては、おそらく焦点を絞りたかったというのと、上映時間の長さ、そして色々な生徒について過去の回想シーンを入れていたら、時間軸がメチャクチャになってしまって実験映画もどきになってしまうからだろうな。

そして、もっとも大きな変更点は担任教師の描かれ方だ。原作においては悪役であった担任教師が、映画の担任教師キタノは裏の主役になっている。もしかしたら、心理描写という点では、主人公の七原と中川よりも深いかもしれない。
多くの人が死ぬこの映画だけど、キタノの死に方が一番いいぞ。
「クッキー、最後の1枚になっちゃたなぁ」

実を言うと、わたしにとって原作は「まぁ、こんなもんか。つまらん」なんだよね。
中学3年生が同級生同士殺し合うというストーリーを聞いたときはどんなにトチ狂った小説かと思ったが、その実まるで『中学生日記』を思わせるような気恥ずかしく底の浅い青春小説。ティーン・エイジャーならまだしも、わたしにはうっとおしくてしょうがない。いや、ガキの頃に読んでもやはり性に合わなかったろう。健全な不マジメ少年だったからな。
その点、映画は明らかにトチ狂っている。マトモじゃない。
そのテンションの高さは、たけしがギャグで言っていた「深作監督は昔やっていたヒロポンが今になって効いてきました」を思わずうなずかせてしまうほど。
原作が竹刀だとしたら、映画は抜き身の真剣。触れれば斬られる。すべてにおいてギリギリ感が充実している。 だから見る側にもエネルギーを必要とさせる。

『R-15』指定については色々言いたいこともあるけど、こんな面白い映画子供に観せるにゃもったいない。我々大人たちだけで楽しもうって意味ではいいのかも。
もしも、15歳の時の自分がこの映画を観てどう感じるか?興味深いな。


『バトル・ロワイアル』その3

一郎「まだ続くんですか『バトル・ロワイアル』?いい加減飽きましたが」

いいから、黙って話を聞きなさい。
銀座の映画館では「高校生がスピーカーを手に抗議のスピーチを展開するひと幕もあったが」というので、R-15指定反対の抗議かと思いきや、上映反対の抗議だったそうだ。
おそらく、その彼らのコメントだと思うのだが、
「都内在住高校3年男子生徒(18)ニュースで映像が流れているのを見て、身の毛のよだつ思いをした。メンバー6人と抗議に来た。映画はまだ見ていないが、保護者に見ないように働きかけていただきたい。」
・・・・・・アホか。
わたしが映画版『バトル・ロワイアル』にイカレちまってることを抜きにして、客観的に言わせてももらう。
こいつら徹底的なアホだぞ。
何がアホって、自分の眼で観ていない映画の批判をするんじゃない。
観て、自分の頭で考えて、そして批判するなら批判する。抗議するなら抗議すべきじゃないか。
観てもいないのに抗議をするなんて、自分の頭で何も考えておらず、他人の意見に振り回され踊らされているだけだ。性根がなっちゃいない。はっきりいって卑怯だ。
おそらく、彼らは学校ではイイ子ちゃんなのだろう。大人の言うことを素直に受け入れるのだろう。
わたしは高校生の頃ワルイ子ちゃんだったので(不良だったとかってわけじゃないよ)、大人や他人の意見を参考にすることはあっても、それをそのまま受け入れることはなかったんだがな。
自分で実際に見たり聞いたり体験したりして、自分で考え自分の感じたことで動いてきたつもりだ。
同じ作品を観ても感じることは人それぞれだから、『バトル・ロワイアル』に抗議をするのはかまわない。
しかし、最低限のモラルとして映画をちゃんと観てから抗議しなさい。
でなければ、その抗議の声は何の力も持ちはしないよ。

一郎「Zzzz・・・」

一郎君、寝てるし・・・

一郎「Zzzz・・・まったく年をとると説教臭くて・・・むにゃむにゃ」

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/3872

コメントを投稿 携帯電話からは投稿出来ません