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『クロスファイア』

『クロスファイア』 監督:金子修介 原作:宮部みゆき 脚本:山田耕大/横谷昌宏/金子修介 出演:矢田亜希子/伊藤英明/原田龍二/長澤まさみ/吉沢悠/徳山秀典/永島敏行/桃井かおり

 原作は出版時に読んでいたのでストーリーについて行けたが、映画で初めてという人には、ちょいとつらかっただろう。 淳子が少年グループを”パイロキネシス”(発火能力)で焼き殺そうと決意するまでが唐突過ぎて、「何で?」と思うのではなかろうか。 逆に、後半で出てくるガーディアンズといった連中がよく分からないまま、結末を迎えてしまっう。
 原作が上下巻とかなりのボリュームであるのに、それを大きく変えないまま2時間に収めたのだから、無理もあろうというものだ。
 結局はかなり原作とは違う部分もあるのだから、いっそのことガーディアンのパートは削ってしまって、淳子が少年グループと戦うに絞った話に変えてしまったほうがすっきりしたのではないか。
 淳子の正体を感づいている若い刑事も不必要に思えるが、彼がいないと、観客に対して“パイロキネシス”を説明してくれる人がいなくなってしまうか。
 桃井かおりのオバさん刑事はよかった。

 いつのまにか定着してしまったVFXという言葉。
 技術そのものが見せ場なSFXに対し、技術を使っていると観客に悟らせるべきではないのがVFXと考えています。 『平成ガメラ』シリーズを撮っただけあって、金子修介のVFXの使い方はかなり手馴れている。
 淳子と多田がキスをした瞬間、熱気がドーム上に二人を包み込み振りゆく雪が蒸発するシーンなど、背筋がゾッとする美しいシーンであった。
 この映画、さかのぼれば、東宝の『ガス人間第一号』や『透明人間』あたりになるのであろう。
 小説自体は、スティーヴン・キングの『ファイヤー・スターター』へのオマージュであったが。

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