『マルコヴィッチの穴』(1999) 監督:スパイク・ジョーンズ 出演:ジョン・キューザック/キャメロン・ディアス/キャサリン・キーナー/ジョン・マルコビッチ/チャーリー・シーン
興味深いというか、いろんな観方ができる作品だね。哲学的に難解な映画ととらえることもできるし、ラブストーリーでもある。
わたしにとっては爆笑ギャグ映画だったけどさ。
ジョン・キューザック演じる主人公は、世間はおろか奥さんにも才能を認めてもらえない人形使い。本当は才能があるんだが、やるネタが一般的ではない。道端で性的な人形劇を演じていて、小さな女の子のいる父親からぶん殴られたりしてる。
奥さんの薦めで気が進まないながらもファイル管理会社に就職するが、そのオフィスが7と1/2階という7階と8階の間にある天井のやたら低いフロアにある。
そこで働く彼は、ある日壁に奇妙な扉を見つける。その扉を入っていくと、なんと実在の俳優ジョン・マルコビッチの頭の中に入ってしまう。
彼は同じフロアで働く女性とその穴をつかって変身願望を叶える商売を始めるが・・・
設定からして珍妙だ。
7と1/2階というセットがまずいい。遠近感がおかしくなって、なんかテリー・ギリアムの美術を思い起こさせた。みんなが中腰になって歩き回っているのは笑える。
主人公の奥さん役がキャメロン・ディアスだ。
夫よりもペットのチンパンジーを心配する妻で、あげくにはマルコビッチに入っている時にある女性に惚れてしまう。
本編の前に『チャーリーズエンジェルズ』の予告をやっていたが、ずいぶんと印象が違うね。
好きなのはマルコビッチ自身が自分の頭の中に入ってしまったシーン。
レストランにいる全員がマルコビッチその人。ピアノの上に寝そべっている女性シンガーも子供もウェイターも全部マルコビッチ。
気持ち悪いながらも笑えた。
あと、二人の女性がマルコビッチの深層心理の中をおっかけっこするシーン。
少年時代に「おしっこタレビッチ」といじめられてたり、パンティの匂いをかいでいたりと笑えたな。
マルコビッチの頭の中から出てくる時は、ハイウェイの横に落っこちてくるってのもいい。
ラストのオチも、設定はちょっと強引だが皮肉が効いていていいね。
女性は強し。ジョン・キューザックは永遠の片思いで終わる。
男は悲しいわな。
チャーリー・シーンはマルコビッチの友人役として出てくる。
7年後ということで再登場するときはカトちゃんズラをつけてハゲオヤジになって出てきてるので必見だ。
他にもテレビの中でショーン・ペンがインタビューに答えていたり、テレビの画面が切り替わるときにちらっとブラッド・ピッドが映ったりもするな。
パンフレットによると、『セブン』などの監督のデビット・フィンチャーも出演しているらしいが、さすがに顔までは知らないので見つけられなかった。そう言えば、パンフレットを買うなんて久しぶりだ。
監督のスパイク・ジョーンズはまだ30歳ぐらい。
これまではミュージックビデオやCMを撮ってきた人らしい。『スリーキングス』では準主役を演じていたりと才人だね。今回が初監督作品でこの出来だから、今後がさらに期待できる人だ。
スパイク・ジョーンズは芸名だそうで、冗談音楽の元祖スパイク・ジョーンズと関連があるんじゃないかと
にらんでいるんだが、つづりが違うかもしれないので関係ないかもしれない。