『ゼイリブ』(1988) 監督・音楽:ジョン・カーペンター 出演:ロディ・パイパー/キース・デヴィッド/メグ・フォスター
*公開時執筆
カーペンターといえばホラー、なーんていつまでも思っていてもらっちゃ困る。
「スターマン」「ビッグトラブル・イン・リトルチャイナ」とSFロマンス、コメディアクションなどその才能を花開かせていたカーペンターであるが、今度はSFアクションだ。
今回公開の「ゼイリブ」は(しかし、よーわからん邦題だ。いやそのまんまか)彼の作品のなかでは秀作「ニューヨーク1997」に一番近いかもしれない。ただ1997よりかは、だいぶ明るい。別の言い方をすればバカである。リトルチャイナで分かっていた事であるが、実はカーペンターもおバカさんであったのである。彼は基本的に脚本も自分で書く人なので、作品の世界がしっかり完成しているのだが、多少癖がありすぎるので万人から好かれるってわけにはいかないんだろう。その代わり熱狂的ファンは多いのだが。
で、「ゼイリブ」はって言うと、うーん90分というのは少し短かったかもしれない。
地球がいつの間にか他の知的生命体に支配されていたということに気付いてから、なんかゴタゴタしているうちに突然終わっちまうんだもん。
あの腕時計で作った妙なトンネルに入ってからが少し短すぎる。アンテナを破壊するだけじゃなくって、ロディー・パイパーを化物の世界に乗り込ませて大反撃をするぐらいして欲しかった。でもそうするとSFXやセットに金がかかるか。低予算ムービーだもんなあ。少しあっさりしすぎてる様に思うけどな。皆さんどう思います。
さーて、ロディー・パイパー君、結構いいぞ。最後のFUCKポーズ、あれだけ根性のはいったFUCKポーズは近年見た事がない。
話自体はとりたてて目新しいものはない。しかし一つ光っているところをあげるとすれば、化物を見破る道具が、一見普通のサングラスといった事である。しかもそのサングラスは、ガーゴイルやレイバンではなくキクチメガネの店先で1000円ぐらいで売っているようなプラスチックのサングラスである。なんて安っぽいのだ。自主映画のSFじゃないんだぞ。しかし、逆にそれがリアルさというか、現実との接点となっているというか、とにかく効果的であったのである。・・・ような気がする。
あそこで大仕掛のよーわからん装置や、御都合主義の超能力などが出てきたら理屈は同じとしてもずっと印象は違っていたと思うのだ。あのサングラスだってよーわからんし、御都合主義である。しかし逆に私たちが普段よく見かけるものであるが故に、ストーリーにのめり込むことの手助けとなっているのである。
サングラスはカーペンターのアイディアらしいのである。やっぱりただ者ではないのだ。
最大の見せ場は知人の黒人との、サングラスをかけるいやかけないをめぐっての延々と続く路地裏でのどつきあいだ。終わるかなと思うとまだまだ続く。
とにかく一発一発のパンチやキックが重そうで骨まで響く痛みを感じさせる。
とどめはアスファルトに叩きつけるブレーンバスターもどき。そういえばロディー・パイパーの本業はプロレスラーなのであった。
コメント (2)
やっぱりカーペンターただ者ではないですね。アイデアでみせる作品です。ロディー・パイパーいい。ニック・ノルティみたいな感じに成長すれば良かったけど今なにしてるのか?怒りの表情がなかなか良かったのに。残念。
Posted by: けん | 2008年03月01日 21:21
日時: : 2008年03月01日 21:21
けんさん
ロディ・パイパーは『ビリーズ・ブート・キャンプ』の人が主演の『ビリー'S GUN & FIGHT!』(1995)で相棒を演じてました。筋肉は減ってましたが元気そうでしたよ。千葉真一が以前テレビのインタビューで『リゾート・トゥ・キル』という映画をロディ・パイパーと共演で撮ってるんだとか言ってましたが、案の定日本未公開。ビデオにはなったようですが、見かけたことすらないですね。とにかくB級アクションを中心に活躍している様子です。
Posted by: 東森時音 | 2008年03月02日 00:11
日時: : 2008年03月02日 00:11