『少林サッカー』(2001) 少林足球 監督:チャウ・シンチー/リー・リクチー 出演:チャウ・シンチー/ン・マンタ/ヴィッキー・チャオ/カレン・モク/セシリア・チャン/ヴィンセント・コック/ウォン・ヤッフェイ/チン・グォクン
いーぞー、『少林サッカー』は。
笑い、燃え、そして泣ける。
チャウ・シンチーが蹴ったボールは衝撃波を撒き散らし、ボールにぶつかった人は木の葉のように吹っ飛ぶ。器械体操の鞍馬の要領でボールを操る男が出てくる。デブが華麗に宙を舞う。ブルース・リー似のキーパーが「さぁシュートしてみろ」と手で招く。鉄の頭をしたオヤジのヘディングがきまる。そしておねぇちゃんがバナナの皮で滑って転ぶ。今時、バナナの皮で滑って転ぶなんてシーンが観られるとは思わなかったぞ。
徹底してバカ。もうどーしよーってぐらいにバカ。
次から次と繰り出されるギャグの嵐にひたすら翻弄される。イケてるギャグからしょーもないギャグまであれこれと詰め込んであって、さすが中華料理の国だ。ギャグの満願全席。
そして『ドラゴン・ボール』のようなアクションが実写で表現されている。そのためにCGIが使われているのだが、それは『マトリックス』をはるかに超えている。これこそ正しいCGIの使い方だ。もちろん、役者がちゃんと肉体訓練を行っているからこそ、VFXも活きてくるのだ。
さらに、この映画のテーマは優れた技術を習得していながら、社会が変わってしまったためそれを活かすことが出来ず、誇りを失い進むべき道を失っていた男たち+女性1名が、自らを再生しそして復活していく物語なのだ。
最初の練習試合で、反則暴力行為おかまいなしのチームと対戦し、殴る蹴るでボコスコにされ、ついにはパンツまで頭にかぶせられてしまう。
それまでだったら、そのまま負け犬の道を選んでいただろう。しかし、彼らは悔しがり惨めがる中で、逃げ出さずに戦いの道を選ぶ。
そして彼らのクンフーはよみがえる。
映画中盤のこのシーンが個人的には一番肝だと思う。泣けるって、いやほんとに。
トーナメントの最初の対戦チームに『食神』で悪いコックを演じていた人がいるが、少林隊に得点を取られまくる中、彼は叫ぶ。
「こんなのはサッカーじゃない。俺はサッカーがやりたいんだ!」
それはある意味正しい。
ただ、少林隊のはサッカーじゃなくて少林サッカーなのだ。