『キャプテン・ザ・ヒーロー 悪人は許さない』(1983) 監督:フィリップ・モーラ 出演:アラン・アーキン/クリストファー・リー
監督のフィリップ・モーラは『ハウリング2、3』などのどーでもいいような駄作ばかり撮っている人なんですが、そんな人でも何作も創っていれば時として傑作を生み出すこともあるのです。この映画、傑作です。笑えます。カッコいいです。イカしてます。
主人公はキャプテン・インビンシブルとしてアメリカを守っていたスーパーヒーローです。しかし着ているマントが共産主義の象徴赤色だから共産主義者だとなどと言いがかりをつけられ、赤狩りにあってアメリカを追われてしまい、今ではオーストラリアでホームレスになりアルコールにおぼれた生活をおくっています。
そんな彼にアメリカ大統領直々の依頼が来ます。悪の帝王ミスター・ミッドナイトが催眠術でマンハッタンに黒人やユダヤ人を集め、地震発生装置で地震を起こして(だったかな?)彼らを根絶やしにしようとしているのです。彼は悪に挑むべく再び立ち上がりますが、空を飛ぶ能力すら失ってしまっているのです。そこで、リハビリ訓練を始めるのですが、果たして彼はスーパー能力とプライドを取り戻してミスター・ミッドナイトに勝つことが出来るのか否か?!
作品としてはコメディなんですが、失意のヒーローが力と誇りを取り戻していく様は感動的です。空を飛ぶ時の「In to the Blue!」、磁力を発生させ金属を操る時の「Magnet On!」、これらのかけ声も最初は情けないのですが段々カッコよくなっていきます。
それと、所々ミュージカルタッチになります。なにぶん観てから10年は経っていますので歌詞は曖昧ですが、悪と善との区別が付かなくなってしまった現代をキャプテンが嘆いて歌う「良い奴と悪い奴~、昔は区別が付いていた。良い奴は白い帽子、悪い奴は黒い帽子、一目で分かった。それが今ではどっちが白い帽子でどっちが黒い帽子か、ヒーローでも区別が付かない~」とか、酒から立ち直ったキャプテンをまた酒に溺れさせようとお酒の山を前にしてミスター・ミッドナイトが歌う「ジン、ラム、モスコミュール、テキーラサ~ンライ~ズ~」。そしてエンディングの「彼はアメリカンドリーム、ア~メリカ~、なんたらかんたらキャ~プテン、インビンシブ~ル~」。どれもこれもイカしてます。サウンドトラックが是非とも欲しい!んですが、出てないでしょうなぁ。
主役のキャプテン・インビンシブルはアラン・アーキン。そしてなによりミスター・ミッドナイトを演ずるクリストファー・リーがメチャクチャカッコいい。黒ずくめの格好が似合っています。やはり悪役がいいと物語は盛り上がりますね。クリストファー・リーは近作『ロード・オブ・ザ・リング~旅の仲間~』でも悪の魔法使いを堂々と演じていましたね。
ビデオはとっくに廃盤のようですが、なんとかDVDで再販してもらいたい一作です。