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『ヴェラクルス』 決闘!

『ヴェラクルス』(1954) 監督:ロバート・アルドリッチ 出演:バート・ランカスター、ゲーリー・クーパー

この映画の主役はあくまでもバート・ランカスターだ。
それは浅黒く日に焼けた顔でニヤリと笑うと真っ白な歯が印象的なその顔立ちからではなく、バート・ランカスターのプロダクションが製作に携わっているからでもない。
彼の実の父親を殺した養父から「人を信じるな」と教わり、そのルールを守れなかった養父を殺し、友達も仲間も持たぬまま根っからの悪党として生きてきた男ジョー(バート・ランカスター)が、南北戦争で敗北し革命の最中のメキシコまで流れてきた元南軍兵士ベン(ゲーリー・クーパー)と出会う。
ベンの腕前は自分とほぼ対等と察するが、礼節を知り人を気遣うベンを内心軽く見ていたジョー。しかし、次第にベンの人間性を認め始め彼を信じ友情めいた感情持つようになる。養父が禁じていた“友情”だ。
メキシコ皇帝の馬車を護送しつつも、それに隠されている300万ドル分の金塊の強奪を企む彼らだっただ、結局最後の最後で悪党になりきれなかったベンに裏切られ、もはや伝説ともなったラストの決闘でジョーは命を落とす。
この悪党の生き様を見れば彼が主役であることは明白だ。

ジョーには仲間はいないが手下が何人がおり、その中には無名時代のチャールズ・ブロンソン(ヒゲなし)、アーネスト・ボーグナイン、ジャック・イーラムなどがいる。ズラッと揃いも揃って悪人面ばかりよくも集めた者だ。ジャック・イーラムに関しては『キャノンボール1、2』の肛門科医役だといえばわかりやすいだろうか。やぶにらみでひん曲がった顔の怪優だ。
『夕陽に立つ保安官』(1968)などバート・ケネディ監督作の常連で同監督のハルク・ホーガン主演SFコメディ『マイホーム・コマンドー』でもクリストファー・ロイドの隣に住む元軍人役で出演していたのはうれしかった。

監督デビューしたばかりで、低予算映画を数作撮っていたぐらいのロバート・アルドリッチだが、すでにベテランの貫禄を身につけているかのようだ。
後にいつくもの傑作を手がけることになるのだが、そこにはほとんどベン的人物は登場せず、悪党やロクデナシのジョー的人物ばかりであることを考えると、この作品でアルドリッチのスタイルがある程度決まったのかも知れない。

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