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『パニッシャー』(1989年版) 住所-下水の奥

『パニッシャー』(1989) THE PUNISHER 1990/2/4鑑賞
監督:マーク・ゴールドブラット 脚本:ボアズ・イェーキン 出演:ドルフ・ラングレン/ルイス・ゴセット・Jr/ジェローン・クラッベ/ドナル・ギブソン/キム・ミヨリ

原作はマーベル・コミックで、そちらではアメコミヒーローの例に漏れず青地に大きな髑髏のマークがついたタイツ姿なのですが、ドルフ・ラングレンが「その格好だけは勘弁してくれ」と拒否したとかで、わりと普通の格好になっています。パニッシャーというキャラクターに馴染みのないわたしは気になりませんでしたが、アメリカでの反応はどうだったのでしょうか。仮にスーパーマンがいつものユニフォーム姿でなかったら、それはスーパーマンではなく単に力が強くて空を飛ぶ人になってしまうのではないでしょうか?下手をすると不審人物として警官から撃たれかねません。スーパーマンの場合は銃弾ぐらい平気でしょうが、派手派手な格好はヒーローのアイデンティティーとして必要なものなのでしょう。
なんでもまた映画化されたそうですが、そちらではドクロマークのTシャツになっているもののオリジナルに近い服装のようです。

犯罪組織に妻と子供を惨殺された刑事ドルフ・ラングレンが、“パニッシャー(罰を与える者)”となって悪党狩りを始めます。
彼のアジトは下水道の奥深くにある小部屋。そこで座禅を組んで精神統一などしているのですが、臭くないんでしょうか?
パニッシャーはもはや感情を亡くした鉄のごとき男なので、演技面に若干の不安があるドルフ・ラングレン向きでしょう。
犯罪組織のボスは、これがなかなか魅力的な人物に描かれています。その理由は、更なる悪党が途中から登場してくるからです。そいつらこそジャパニーズ・ヤクザ。アメリカに侵出してきた日本の暴力団なのです。同じく日本の暴力団が悪役として登場する『ブラック・レイン』も同じ1989年作品。当時、日本企業がアメリカの企業や土地を次々に買収していた頃です。日本人悪役が出てくるのにはそれらに対する反感もあったのでしょう。もちろん日本人の暴力団ですから、手先にはニンジャがいます。当然ですね。
ヤクザのボスは若き女性で、その堂々とした姿は『キル・ビルVolume.1』のオーレン・イシイ(ルーシー・リュー)以上です。演じている女優はキム・ミヨリで、名前から察するに韓国系のようです。ハリウッド映画で日本人役を日系人が演じるのは観ていてかなり少ないですね。そもそも日系人俳優が少ないのでしょう。わたしがぱっと思いつくのは、マコ・イワマツとかジョージ・タケイぐらいです。日本から俳優を連れてくるにしても、スクリーンに耐えるだけの英語をこなせるかという問題が出て来ます。日本人俳優が世界で活躍するには英語教育の見直しが必要なのかも知れません。
何気にヤクザの一味に極真空手の八巻健志がいたりします。そういえばドルフ・ラングレンとは同門の仲。友情出演ですかね。

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コメント (5)

ネスカフェ:

そういえば、新作が出たついでに旧作を見直して見ると、前にテレビ放映を見たときとは違和感を感じて調べて見たところ、なんとビデオ版にはテレビ放映されたシーンがカットされていました。そのシーンは、元相棒の刑事の回想シーンで、張り込みをしていたときに手作りの弁当をもらい、それを思いだしながら、主人公の犯した犯罪に苦悩するというものでした。なんというかここが肝なんですけどね。

ネスカフェさん

仕事で中期出張中なので詳しい資料がないのでいい加減な記憶で書きますが、
外国映画の場合は、国内版と輸出用の海外版では多少内容が変わっている場合があるようですね。
海外版では他国ではわかりにくいだろうとかレイティングの関係でカットされることが多いのですが、たまに監督などが国内版を見直して気に入らないところに手を入れた場合もあるそうです。
旧版の「パニッシャー」ことはあまり憶えていないのですが、手作り弁当のシーンは作中で重要そうですね。
おそらく劇場で上映されたのは弁当のシーンがカットされた国内版で、テレビ上映ではアメリカでフィルムの24コマをテレビの秒間30コマに変換する作業(テレシネ)がすでにすんだ現地国内版をマスターとして使ったのではないでしょうか。
ごくまれにですが、こんなシーンは映画館ではなかったぞとか、シーンの順番が違うなんてのはありますね。
ジャッキー・チェンの『ポリスストーリー』も高校時代に映画館で見た日本劇場版が大好きで、DVDソフト化されるなり買ったのですが、これが香港版でラストは香港映画流の突然脈略なくストップモーションで終わり。詳細はこっちで書いてますが同一作品でもいくつかのバージョンがあるんですね。
国内版、輸出版とは話が変わりますが、『ブレードランナー』もディレクターズカット版やら最終版やらですでになにがなにやら。わたしはオリジナルを劇場で観た口ですから、ラストは『シャイニング』の余り空撮フィルムにハリソン・フォードのモノローグで「お互い、どれだけ生きるか」じゃないと納得できないんですが、若いファンには意味を理解してもらえなくて。
ジョージ・ルーカスが『スターウォーズ4~6』の特別編を作ろうが本人の自由なんですが、せめてオリジナルも観ることのできる環境は用意してもらいたい物です。
これまた話が変わりますが、冬のソナタなどの韓国ドラマがそろそろ下火とはいえまだ人気があるようですが、あの『冬のソナタ』は韓国放映版より話数も上映時間も長いそうです。
なんでも、放送に間に合わせるためにとりあえず編集したのが韓国版ですが、作業が落ち着いて「ここの編集や音楽は直したい」という意向の元で再度完成させられたのが日本放送版なんだそうです。一種のディレクターズカット版ですね。
韓国人の冬のソナタの熱狂的なファンの中には日本版のビデオやDVDを取り寄せているそうで。
でもって、逆に日本のオバさんがオリジナル韓国版を取り寄せてるとか。なにがなにやら。

ネスカフェ:

丁寧なコメントありがとうございました。こんなに調べていただいて光栄です。パニッシャーの
件に関しては、ビデオの吹き替え版を見たとき、テレビ版と同じだったので、「ああ、テレビのやつをそのまま流用したのだな」と思っていたら、例のシーンをカットという「?」な感じでした。まあ、これはビデオ製作側の手抜きなのかも知れません。あと、似たようなケースだと
「地獄の処刑コップ」(「マニアック・コップ」ラリーコーエン脚本の佳作)で、上層部の陰謀により惨殺され、冷酷無比な殺人鬼と化した警官が、ラストにその元である市長に報復するというシーンが、ビデオ版ではカットされているらしいです。これは、テレビ放映の際、そのシーンが欠けていることに違和感を感じたテレ朝(日曜洋画で放送)スタッフが、製作側に頼んで放送のときに追加したそうです。やはりこの二つのケースを取ってみても、映画の肝というべき
シーンはビデオ媒体になるときにはカットされる可能性も多いみたいですね。まあDVD化されるときはこの二作品にはちゃんとテレビ放送
のやつをきちんと収録して欲しいです。はい。そうでないと話の印象が変わりますから。

映画のバージョン違いについては前にちょっと文章にまとめようかと少し資料を集めた段階で飽きてしまっていたのですが、ようやく役に立ちました。

ジョージ・A・ロメロゾンビ三部作の第3作『死霊のえじき』も日本で最初にDVD化されたときは『死霊のえじき-最終版-』というタイトルでゴアシーン(人間がゾンビに食われる“残酷”シーン)がほとんどカットされた代物でした。
ゾンビファンやホラー映画ファンは怒ってましたね。わたしは「これはこれで、却って地下軍事基地に閉じこもった人間たちの疑心暗鬼や憎しみ合いが強調されてるかもしれない。確かにゴアシーンがないとつまらないが」と思っていましたが、この最終版はアメリカのケーブルテレビで放送されたときのマスターを利用したそうです。
ケーブルとはいえテレビ用に編集した物ですからそりゃゴアシーンは削られてますわ。
なんでも、正規のマスターよりケーブルテレビ版のマスターの方が安かったそうで、あまり考えなかったのか消費者をなめていたのかはわかりませんが、結果『死霊のえじき-最終版-』になってしまったそうです。
最近、オリジナルマスターの『死霊のえじき』が発売され、ゴアシーンも復活しました。
もちろんわたしも購入しましたので本棚には『死霊のえじき』が2本並んでいます。
「-完全版-』はいらないんですが、そんな作品ですので値段が100円もつかない。うーむ、ってんでとりあえずそのまま。

ネスカフェ:

レスどうもありがとうございます。ホラー映画に関してはやはり不遇というかそういう部分がありますね。逆にメジャー映画だと、「蛇足だろ」
という部分を追加して「完全版」としちゃうから
太刀が悪いのなんの・・・「映画の面白さ」って
なんだろうかと考えてしまうこのごろであります。

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