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2004年06月 アーカイブ

2004年06月01日

『プレデター2』 殺戮獣、ロスへ

『プレデター2』(1990) 監督:スティーヴン・ホプキンス 出演:ダニー・グローヴァー、ビル・パクストン

1997年のロサンゼルスを舞台にした近未来SF刑事映画アクション。えっ、「1997年は未来じゃなくて過去」だって?制作された1990年にとっては近未来なの。それから1997年になってもロスにプレデターが現れなかったからといって嘘つき呼ばわるするのは止めろ。(いたんだよ、こういうケチ付け野郎が実際に)
それにな、実のところは“本当”に現れたんだ。アメリカ政府が特別チームを組んで秘密裏に捕獲し、最高機密になっているのであなたたちが知らないだけだ。ああっ、ここで情報を漏らしてしまったからにはわたしの命も風前の灯火・・・

このところ映画よりもテレビシリーズの『24 TWENTY FOUR』で有名なスティーヴン・ホプキンスだ。
『ジャッジメント・ナイト』(1993)や『ブローン・アウェイ』(1994)などなかなか好みな作品を撮っていたのだが、最近は『ゴースト&ダークネス』(1996)や『ロスト・イン・スペース』(1998)などの駄作続き。それで映画から干されてテレビに行ったのではないかと愚考する。
『プレデター2』はまだあまり名前も知られていない新人の時に撮った続編物。一作目の要素を入れ損なうとファンから怒られ、かといって大事にしすぎるとオリジナリティがないとまた怒られ。とかく続編は難しいと相場が決まっている。
この作品の場合は、“プレデター”の存在はほぼそのままで、南米のジャングルから大都会ロスへと舞台を移し、主人公はダニー・グローヴァー演ずる警官になった。一作目では戦う相手が特殊部隊隊長アーノルド・シュワルツェネッガーだったため、襲い来るプレデターの脅威をSFXを駆使してアピールしても分が悪かった。仲間を失い最後の一人になって命がけで戦っているはずのシュワルツェネッガーなのだが、どうしても彼が余裕綽々であるように感じられてしまうのだ。しかも、プレデターが光学迷彩で姿を隠しているうちはまだしも、装置の故障でその姿を現すと“ブサイク”かつ“カッコ悪い”のは困った物だ。
その点、ダニー・グローヴァーならばヒゲを剃っているおかげで『リーサル・ウェポン』シリーズよりは幾分若く見えるとはいえ普通の人間。身体能力・武装ともに人類を超えた宇宙生命体プレデター相手に必死になっている様が伝わってくる。ついでに彼には高所恐怖症という弱点もあるのだが、それについてはあまり有効に使われていなかったのは残念。

オープニングに警察と麻薬組織のド派手な銃撃戦を持ってきてスクリーンに観客を引きつける。というより、この銃撃戦はおそらく制作陣の趣味だろう。プレデター騒動とはほとんど関係がないシーンなのにやたらと力が入っている。
そういえば、最近の映画では銃問題絡みでかあまり派手な銃撃戦が出てこない。個人的には「映画は映画、現実は現実」だと思っているので、これでもかとばかりに弾丸の飛び交う映画も観たいのだが、色々複雑なのであろう。ただ、銃問題は結局出汁にすぎず、大企業批判と政府批判そして自己顕示欲で出来上がっているようなどこぞの“ドキュメント”作品にでかい面されたくはないが。

ダニー・グローヴァーの愛銃はレーザーポインターを載せたクロームメッキのデザート・イーグル、他トランクにショットガンなど多数。他の登場人物の持つハンドガンの多くにもレーザーポインターが搭載されているが、これがまた今となってはデカい。『ターミネーター』(1984)でハードボーラーに載っていた奴ほどではないが、『リーサル・ウェポン4』(1998)ではメル・ギブソンの持つベレッタM92FSのグリップに内蔵されていたことを考えると設定が1997年なのだからデカすぎる。
レーザーポインターの照準先には赤い光点が灯り、その人物が狙われていることが観客に視覚的にわかりやすいので一時スクリーン上で流行った。だが、間違って目に当たると網膜を焼いて失明の恐れがあり“非人道的”な道具であるからと最近では登場回数も減った。
しかし、レーザーポインターの照準が当たっている=銃で狙われているわけで、その人にとってはレーザーよりも鉛の弾丸の方が大きな、かなり大きな問題だと思うのだがどうだろう。レーザーサイトと銃とどっちがより“非人道的”なのかって気もするが。

タイトルでついつい“殺戮獣”などと言ってしまったが、プレデターは知的宇宙生命体で地球にはハンティングに来ている。獲物が人間というのが困ったところだが、戦場など人が争っている場所しか狩り場としない、基本的に武器を持っている者は襲わない、武装していても妊娠した女性の場合は危害を加えない。正々堂々と戦って人間が勝った場合、プレデターの仲間は復讐せずにその人間の健闘ぶりを讃える。なかなか筋の通った奴らで、人間のハンターもある意味見習って欲しい。
ただ、負けそうになると核で自爆するのはゲームで負けるとキレて暴れる青少年みたいで、食生活にカルシウムが足りないんじゃないかとも思うが。骨は食わないで磨いて飾ってたもんなぁ。肉ばかりで野菜は摂っていなそうだし。
近いうちにエイリアン相手に一騒動やるようだが、果たしてどっちが強いのか?まぁ、最強なのはどのみちシガニー・ウィーバーなわけだが。

実のところ一番お気に入りのシーンは、ビル・パクストンが初登場する警察署での意味のない長回し移動撮影だったりする。

2004年06月02日

『ヴェラクルス』 決闘!

『ヴェラクルス』(1954) 監督:ロバート・アルドリッチ 出演:バート・ランカスター、ゲーリー・クーパー

この映画の主役はあくまでもバート・ランカスターだ。
それは浅黒く日に焼けた顔でニヤリと笑うと真っ白な歯が印象的なその顔立ちからではなく、バート・ランカスターのプロダクションが製作に携わっているからでもない。
彼の実の父親を殺した養父から「人を信じるな」と教わり、そのルールを守れなかった養父を殺し、友達も仲間も持たぬまま根っからの悪党として生きてきた男ジョー(バート・ランカスター)が、南北戦争で敗北し革命の最中のメキシコまで流れてきた元南軍兵士ベン(ゲーリー・クーパー)と出会う。
ベンの腕前は自分とほぼ対等と察するが、礼節を知り人を気遣うベンを内心軽く見ていたジョー。しかし、次第にベンの人間性を認め始め彼を信じ友情めいた感情持つようになる。養父が禁じていた“友情”だ。
メキシコ皇帝の馬車を護送しつつも、それに隠されている300万ドル分の金塊の強奪を企む彼らだっただ、結局最後の最後で悪党になりきれなかったベンに裏切られ、もはや伝説ともなったラストの決闘でジョーは命を落とす。
この悪党の生き様を見れば彼が主役であることは明白だ。

ジョーには仲間はいないが手下が何人がおり、その中には無名時代のチャールズ・ブロンソン(ヒゲなし)、アーネスト・ボーグナイン、ジャック・イーラムなどがいる。ズラッと揃いも揃って悪人面ばかりよくも集めた者だ。ジャック・イーラムに関しては『キャノンボール1、2』の肛門科医役だといえばわかりやすいだろうか。やぶにらみでひん曲がった顔の怪優だ。
『夕陽に立つ保安官』(1968)などバート・ケネディ監督作の常連で同監督のハルク・ホーガン主演SFコメディ『マイホーム・コマンドー』でもクリストファー・ロイドの隣に住む元軍人役で出演していたのはうれしかった。

監督デビューしたばかりで、低予算映画を数作撮っていたぐらいのロバート・アルドリッチだが、すでにベテランの貫禄を身につけているかのようだ。
後にいつくもの傑作を手がけることになるのだが、そこにはほとんどベン的人物は登場せず、悪党やロクデナシのジョー的人物ばかりであることを考えると、この作品でアルドリッチのスタイルがある程度決まったのかも知れない。

2004年06月04日

『スナイパー』 鉄砲片手に銃規制を謳う

『スナイパー』(2002) 監督:カリ・スコグランド 出演:ウェズリー・スナイプス

『ボーリング・フォー・コロンバイン』(2002)+『フォーン・ブース』(2002)といった趣である。
つまらないものにつまらない映画を足したのだからこれまたもちろんつまらない。

某高校での生徒による銃乱射事件で娘を失った男ジョー(ウェズリー・スナイプス)が怒りに燃え復讐に立ち上がる。標的になるのは「おのれらが銃を作るからいかんのやんけぇ」という理由で銃器製造メーカー。そこで、南北戦争当時から銃製造会社を営んできた一族の女性に目を付ける。彼女を街頭のホットドックスタンドに足を手錠でつなぎ、自分は少し離れたビルから携帯電話を使って彼女に連絡し、また彼女経由で警察やマスコミと接触する。
「オレの言うことを聞かないと撃ち殺すぞ」
狙撃用ライフルの照準をあわせながら男は脅す。
って、お前は銃に怒りを覚えてこの事件を引き起こしたんじゃないのか。自分も銃を使ってどうするよ。しかもかなり大型で殺傷力強そう。それで警官やテレビのレポーターを実際に射殺してしまいその上で銃規制を訴えるのだから、なにが言いたいのかもやりたいのかもさっぱりだ。
どうもジョーは元CIA特殊工作員で、過去には世界中で活動していたなどということが語られる。その頃の心の傷が犯行理由の一つとなってきて、さすがにもう何を況やである。あちこちでさんざん暴れてきて、いざ自国で娘が乱射事件に巻き込まれるとブチ切れて人殺しとはたちが悪い。政治家と癒着して汚く稼いできた銃器メーカーの会長が悪者ということで話は終わるが、ジョーの方がよっぽど悪人なんじゃないと思えてしょうがない。
下手に社会問題を持ち込んだのでサスペンスとしてはグダグダ。銃問題を世間に訴える手段として狙撃事件を起こし、更には眉も動かさず冷静に警官を射殺するあたり、ジョーが静かに狂っていることの証である。そこら辺をもうちょっと踏み込んでくれれば面白くなったのかもしれない。
いっそのことジョーが「銃反対!規制しろぉ!撲滅だぁ!」と叫びながら銃を持っている連中を次々撃ち殺していくブラックコメディってのはどうだろうか。

ところで、銃器メーカーの会長が電話先のジョーに向かってこんなセリフを言う。
「お前は会社人間(company Man)か?いや、会社人間(company Man)ならこんなことはしないな」
・・・会社人間ってなぁ・・・ジョーは残業や休日出勤ばかりで家族との交流がなかったのが原因なのか。
いや、ジョーが特殊訓練を受けてたことのある人物だと分かった後のシーンなのだから、このcompany manはCIA関係者の意味の隠語だろ、普通。
CIAのことをCompany、CIAの仕事をCompany businessと呼んだりするのはハリウッド映画では常識だと思うのが、単に知識として知っていなくても、なんで会長が“会社人間”であるかどうかを気にしているのか字幕翻訳者は疑問に思わなかったのだろうか。もちろん、話の流れから言っても“会社人間”は関係なく、そこでちょっと調べればCIA関係者のことだと分かるものだろうに。
外国語がろくに分からない私の場合、どうしたって字幕や吹き替えが頼り。鑑賞料などの一部は翻訳料として払っているのだから、ぜひともプロとしての仕事をお願いしたいものだ。

2004年06月05日

『アーメン・オーメン・カンフーメン』

『アーメン・オーメン・カンフーメン』(1981) 監督:ジョン・ウー 出演:リッキー・ホイ

 10年ほど前、香港映画ブームの頃にポニーキャニオンがビデオで香港映画シリーズを出していた。劇場未公開作品などもラインナップされていて、その中にあったのがこの『アーメン・オーメン・カンフーメン』である。
 ビデオに収録されていた予告では「あの『男たちの挽歌のジョン・ウーが笑ってもらおうと作りました」とか言っていたので、どれどれと観てみたのだが、これがハチャハチャコメディ映画だったのだ。
 もうほとんど覚えていないのだが、トランペット吹きのリッキー・ホイがお葬式の伴奏をバイトでやっていて寝ぼけて「パララパララパララララ~」とジャズをやってしまったり、悪魔がキャハハハキャハハハと笑い回ったあげくに壁に激突してこけてしまったり、眼からビームを出して敵を攻撃すると画面の下に点数が出たりと、はっきりいってバカ映画である。それもかなりのバカだ。ただ、あまり笑えなかった記憶がある。
 なんでも、ジョン・ウーは元々コメディ監督として知られていたそうだ。意外な過去である。もうちょっと詳しく知りたいのだが、結局ジョン・ウーのコメディで日本に来たのは『アーメン・オーメン・カンフーメン』だけであった。
 いまや、男を描かせたらハリウッドでものジョン・ウーだが、また1本ぐらいコメディを撮ってくれないだろうか?ま、『ミッション:インポッシブル2』はある意味、出来の悪いコメディだったけどね。

2004年06月06日

『アイガー・サンクション』

『アイガー・サンクション』(1975) 監督:クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド/ジョージ・ケネディ/ボネッタ・マッギー

 クリント・イーストウッド演ずる主人公は美術の教授、でもって登山家。ここまではいい。登山が趣味の美術教師はいくらでもいるだろう。しかしこの男はその上に国家的組織の殺し屋なのである。強引な設定だなーと思うが、アメリカだとそういう人もいるのかもしれん。
 イーストウッドに依頼が来る。ある人物を殺してほしいのだが、問題はその人物が誰だか分からないということだ。ただ一つ分かっているのは、アイガー北壁登山隊の一員というだけ。そこでイーストウッドは登山隊に加わることになる。果たしてターゲットを見つけ出し殺すことが出来るのか?
 アイガー北壁を登山している様子はふもとから双眼鏡などで丸見えであり、いわば公開殺人になるため事故に見せかけねばならない。ターゲット探しというサスペンス部分もさることながら、登山訓練からアイガー北壁攻略までと登山アクション映画としても楽しめる。
 イーストウッドは実際に岩の柱やアイガーなどに登っている。この時点でイーストウッドは45歳。スゲーなと感心してしまう。しかももちろんこれらの登山シーンは映画の展開上必要なものであって、『ミッション:インポッシブル2』のオープニングのように「ほらほら、僕こんなスゴイこと出来るんだよ」ということをアピールするだけのような意味のないシーンではないのだ。
 イーストウッドが殺しを引き受ける理由が愛国心とかではなく名画を買う金のためというのがいい。イーストウッドの古くからの仲間役ジョージ・ケネディもいい味を出している。あとは組織の大物ドラゴン。色素が少なく目が光りに弱いという設定で、ドラゴンの部屋は赤い照明になっていてB級映画っぽいうさんくささがあり笑える。ただ、組織のエージェントとして黒人女性が一人と登山トレーニングのサポーターとして一人女性が登場するが、人物描写がありきたりで魅力的でないのが弱点か。
 イーストウッドは監督も兼任。観とくべきでしょ、の1本。

『アイスマン』

『アイスマン』(1984) 監督:フレッド・スケピシ 出演:ティモシー・ハットン、リンゼイ・クローズ、ジョン・ローン

 「相済まん」と謝っているのではない。氷の中から発見された原始人『Iceman』のことである。
 氷を電子レンジに入れチンしたところ、なんとアイスマンは生き返ってしまった!つーのはちょっと嘘で、電子レンジよりもうちょっと科学的な機器などを使ってはいる。でもま、同じようなもんだろ。(違うっつーの)
 こりゃいい研究材料だ、ぜひ解剖しようという科学者もいれば、いやそれよりも育てて観察しましょうよという科学者もいる。そして、“原始”的と思われていたアイスマンと育てる派の科学者との間に徐々に友情ともいえる絆が生じてくるのだ。
 アイスマンを演じているのはジョン・ローン。こんな格好いい原始人いねーよと思うのだが。今ではそこらにいそうなオッさんになってしまったが。(『ラッシュアワー2』『ハンテッド』参照)
しょせんフレッド・スケピシなんで善良ではあるがぬるま湯のような煮え切らない作品。

『愛は霧のかなたに』

『愛は霧のかなたに』(1988) 監督:マイケル・アプテッド 出演:シガニー・ウィーヴァー/ブライアン・ブラウン ゴリラスーツ製作:リック・ベイカー

 原題は『Gorillas in the Mist』。つまり『霧の中のゴリラ』である。
 一般客へのアピールを考えて愛がどーのこーのというタイトルになったんだろうが、そんなどーでもいいようなものより『霧の中のゴリラ』のほうがいいタイトルだと思うんだがなぁ。配給会社の人間というのは頭使って邦題を考えているんだろうか?思わず首をひねりたくなるようなのが多々あるんだけどねぇ。だいたい、『愛の~』とか『愛と~』などは多すぎてどれがどれやら区別が付かない。
 この作品はアフリカでマウンテンゴリラを研究する女性学者を描いた作品であり、主演はシガニー・ウィーバー。登場するゴリラたちは猿オタクの特殊メイクアップアーティスト、リック・ベイカーによるもの。かなり出来がいいんで、本物のゴリラを調教して撮ったと思っている人もいるかもしんない。
 密猟者が仕掛けた罠を壊して回ったため密猟者との衝突が続き、(密猟者がゴリラを狙っていたのか、他の動物を狙って仕掛けた罠にゴリラがかかってしまうのか、どちらだっだか忘れてしまった)ついには主人公は殺されてしまう。悲しい結末だが、これは実話に基づいた話なのだ。
 こういった結末はあまりベタベタに盛り上げようとするより、多少突き放した距離を置く演出のほうがいいと思うのだが、ま、これは好みの問題だろう。

『IP5』

『IP5~愛を探す旅人たち~』(1992) 監督・脚本:ジャン・ジャック・ベネックス 出演:イヴ・モンタン、オリヴィエ・マルティネス、セクー・サル

 スプレーでの落書きってあるでしょ。暴走族が書く「夜露死苦!」なんてのではなくて、澁谷の公園のコンクリート塀などにある何色も使ったカラフルなやつ。ニューヨークの地下鉄なんかにもあるやつですな。主人公はそういった落書きをする人です。初っぱなからスプレー缶をいくつも使って『IP5』って壁に書いています。『IP5』ってどんな意味なんでしょ?私は知りません。
 女性を追っかけて旅に出ます。黒人の少年がついてきます。おまけになにやら怪しげな老人も加わります。
 老人を演ずるのはイブ・モンタン。パンツ一丁になって冷たい泉で沐浴シーンが出てくるのですが、この作品の完成間近にイブ・モンタンは心臓発作で亡くなってしまいました。
 ぜってーあの沐浴で心臓にとどめを刺したと思うんですが・・・合掌。

『アクシデンタル・スパイ』

『アクシデンタル・スパイ』(2001) 監督:テディ・チャン 出演:ジャッキー・チェン、ビビアン・スー

新作ラッシュの中でひっそりと公開されたジャッキー・チェン香港最新作。
どれだけひっそりかというと、山ほど映画館のある東京でもわずか3館でしか上映されていないほどだ。
わたしの近くのシネコンでは上映しなかったので片道1時間ほどかけて観に行った。
往復の交通費で1,400円。映画代とあんまり変わらない。乗車料金高いぞ名鉄。
でもジャッキーのためだと観に行きましたよ。
『ラッシュアワー2』も(アメリカでは)大ヒットしハリウッドでもやっていける存在になったジャッキーだが、香港での製作も続けている。
一つにはファン思いのジャッキーとしては地元香港のファンのことを忘れられないというのもあるだろうが、最大の理由はハリウッド映画に満足してはいないからではないだろうか。
『ラッシュアワー』シリーズや『シャンハイヌーン』のジャッキーを観ていると、「もっと暴れたい」「もっと動きたい」というのが伝わってくる。
ハリウッドでは危険なスタントはスタントマンまかせになってしまう。これは俳優に危険なことはさせられないというのもあるが、スタントマンの仕事を俳優が奪うことになってしまうのでいかんということでもあるらしい。
あちらはユニオンの力が強く、また分業化がはっきりしているのだ。
ジャッキーは「お客さんは自分を見に来ているのだから自分でやる」という方針だから、ハリウッドのアクションでは思うように出来ないところもあるのだろう。
『アクシデンタル・スパイ』ではジャッキーは走る、飛ぶ。
もう47歳だというのに全裸でイスタンブールの街中を走り回る。
映画のため観客のために全力を出すジャッキーを観ていると、それだけで満足である。
SFXやCGは確かに進化してきたが、まだまだジャッキーの生身のほうが魅力的だ。
しかし、映画は2週間で打ち切りになってしまった。
『ハリー・ポッターと賢者の石』を観に行くうちの10人に1人でも『アクシデンタル・スパイ』を観に行ってくれてればなぁ。

『アクション・ジャクソン』 ホット・ホッター・ホッテスト!

『アクション・ジャクソン』(1988) 監督:クレイグ・R・バクスレー 出演:カール・ウェザース、シャロン・ストーン、クレイグ・T・ネルソン

『ロッキー』のアポロ役のカール・ウェザースが主演のアクション刑事映画。
 カッパライをしたチンピラが逮捕され警察署に連れてこられる。その間に、警官から「アクション・ジャクソンはゴリラとの合いの子で、お前はミンチにされちまうぞ」などとさんざん脅される。怯えきったチンピラは隙を見て取調室から逃げ出し、追い回されたあげくにある机につまずく。机の上のコーヒーが書類にこぼれる。机の上の名札には『ジャクソン』の名前が。おそるおそる顔を上げるチンピラ。そこには恐ろしい形相でにらみつけるジャクソンがいた。恐怖のあまり気絶してしまうチンピラ。
と、主役がかなりとんでもない登場の仕方をします。ちなみにこのチンピラはその後何度か登場して、当然のごとく毎回ジャクソンの顔を見て気絶します。
 元ボクサーで今は安ホテルを経営しているジジイもいい味です。ついでに、まだ売れてなかった頃のシャロン・ストーンが悪役の奥さん役で出ています。途中で殺されてしまいますが。
それと『ダイ・ハード』にも出ていたヒューイ・ルイスそっくりの悪役も出ています。
 ラストは、豪邸の階段をスポーツカーで「ホット・ホッター・ホッテスト!(Hot Hotter Hottest!)」と駆け上がり、悪の親玉と素手でのバトル。燃えます。
 派手なアクションの中に、ギャグも入っていて好きな作品です。

『悪魔の受胎』

『悪魔の受胎』(1980) INSEMINOID 監督:ノーマン・J・ウォーレン 出演:ロビン・クラーク、ジェニファー・アシュレイ、ステファニー・ビーチャム

 劇場で観ています。さすがにこの作品を目当てで観に行ったとは思えないので、二本立ての併映だったのでしょう。
 いわゆるB級なSFホラーです。いや、D級かなぁ。

 地球を遠く離れたどこぞの惑星に小さな基地があり、隊員達が調査を行っています。
 生物は存在しないと思われていた惑星ですが、実は異星人が潜んでいたのです。
 異星人は女性隊員をさらってきて、服をひっぺがすと股間に透明なビニールパイプをつなぎ、そこにピンポン球のような物を送り込みます。
 するとあら不思議、女性隊員は妊娠してしまったではないですか。
 これには矢追さんもびっくりでしょう。
 一応エロチックなシーンとして撮っているのでしょうが、笑えないギャグにしか見えず「なんだかなぁ」だった記憶があります。
 妊娠した女性隊員達はなぜか凶暴になって、他の隊員を殺したり基地内で暴れたりします。
 司令室で大暴れするシーンでは、バックにある装置がいともたやすくひっくり返り、中身が空っぽのベニヤ作りなのが丸見えですが、そこは脳にフィルターをかけて観なかったことにするのが大人ってもんでしょう。

『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』 殺人トマトがやってくる

B000JUBEUG.jpg『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(1978) 監督:ジョン・デ・ベロ 出演:デヴィッド・ミラー/シャロン・テイラー

 ある日、突然トマトが人類を襲い始めた。果たして殺人トマトを倒すことが出来るのか?という、大バカパニック映画。
 『エルヴァイラ』という映画の中で『史上最低の映画』として紹介されておりました。でも、その『エルヴァイラ』自体もかなりのバカ映画でしたが。
 何が良いっていったってテーマソングが良い。「♪アタ~ック・オブ・ザ・キラートマ~トズ♪アタ~ック・オブ・ザ・キラートマ~トズ♪なんとやらかんとやら~♪」一度聞いたら2~3日は耳に残ること間違いなし。
 トマトが襲ってくるといってもSFXでトマトをモンスターとして操っているのではなく、どうみても単にスタッフがフレームの外から登場人物に向けてトマトを投げてぶつけてるだけ。なめとんのか、コラ。
 トマトに立ち向かうべく特殊部隊が結成されますが、ほんとーに特殊な奴らなのでてんで役に立ちません。サイボーグは予算の関係で身体の左半分だけ改造されたので、ジャンプすると右にすっ飛んでいってそのまま。変装の名人は単にトマトのかぶり物を着ただけ。それでもこの男はトマトの群れに潜り込むことに成功しますが、食事の時うっかり「トマトケチャップない?」と言ってしまい、そのまま行方不明に。
 そんなこんながありながらも、ついにトマトの弱点が発見されます。それはある曲。その音楽を流すと、トマト達はバタバタとやられていきます。『マーズ・アタック』の火星人の弱点も懐メロでしたよね。ティム・バートンがオマージュったんでしょうか?
 そしてトマトも根絶か、と思いきや全長4~5メートルはある親玉トマトが耳当てをして現れます。なるほど、それなら音楽は聞こえない・・・ってトマトの耳ってどこ?おまけにこの親玉トマト、下にある車輪が丸見えなんですが、監督はそのあたり全然気にしてないようです。主人公とヒロイン絶体絶命!この危機を乗り切るには、そう楽譜!楽譜をトマトに見せるしかない。つーわけで、人類は辛くもトマトに打ち勝ったのでありましたとさ。めでたしめでたし。
 しかしその頃、畑ではニンジンが動きつつあった・・・なんじゃそりゃぁぁぁ

 ちなみにこの映画の撮影中に撮影ヘリが墜落して死人が出ているのですが、その墜落シーンはしっかりと劇中で使われています。やだなー、この映画で死ぬの。
 とか文句を付けつつ実はかなり好きな作品。いや、メッチャ好きな作品。バカ、ほんっとバカ。唐突にスーパーマンかもしれない新聞記者が出てきて、しかも意味なし。なんだそりゃ。
 表面的なトンデモばかり話題になりますが、根本は結構きっちりとコメディしてます。続編も何作か作られましたが(作るなよ)、どれもバカです。でも最低映画じゃありません。そこんとこ重要。

 嬉しいことに第一作のDVD化が決まりました。オレ?もちろん予約済みさ。

『アポロ13』

『アポロ13』(1995) 監督:ロン・ハワード 出演:トム・ハンクス、ケヴィン・ベーコン、ビル・パクストン、ゲイリー・シニーズ、エド・ハリス

 ネット上のある映画関係の掲示板で「あんなに次から次へとトラブルが起きてしかもその度に上手く解決できるなんて、脚本がご都合主義すぎる」と怒っている人がいたが、そんなこと言っても基本的に実話なんだからしょうがないだろうに。ひょっとして実話ベースだと知らなかったんだろうか?アポロ13号の事件は有名だと思うんだが。

 宇宙飛行中のアポロ13号に爆発事故から始まって電力不足や二酸化炭素の増加と次から次へと問題が生じる。それに対して三人の宇宙飛行士とヒューストンのNASAスタッフが知恵を絞って切り抜けていく。どんなに絶望的な状況でも決して諦めず、困難に立ち向かっていく様はカッコいい。宇宙飛行士も地上スタッフも『プロフェッショナル』なのだ。技術と知識とそして強い精神力を持っているのである。プロの物語はやはり面白い。
 着陸船の二酸化炭素吸収フィルターの形が司令船の物と違うため、そのままでは司令船で使えない。そこで地上スタッフが宇宙船の中にある道具を揃えて「○分以内にここにある道具でなんとかするんだ」と必死に考えて、どうにかコンバーターを作り出すシーンとか好きである。
 下手な監督だとやたら盛り上げようとするだろうが、ロン・ハワードの演出はそこらへんきっちり抑えている。
 主演のム・ハンクスも良いが、それよりも地上側責任者のエド・ハリスがメッチャCool!やっぱエド・ハリスはイイ!
 どうでも良いことだが『アポロ13』と『ゴルゴ13』は似ている。ほんとどーでもいいな。

『狼~男たちの挽歌最終章』

『狼~男たちの挽歌最終章』(1989)  喋血雙雄/THE KILLER
製作:ツイ・ハーク 監督・脚本:ジョン・ウー 出演:チョウ・ユンファ、ダニー・リー、サリー・イップ、チュウ・コン

脚本、役者の演技、アクション、その他もろもろを合わせると、ジョン・ウー作品の中で1番完成度が高い作品ではないかと。
ちなみに日本の配給会社が勝手に挽歌シリーズにしてしまっただけで、ストーリーは『男たちの挽歌』と関係ありません。

殺し屋チョウ・ユンファは殺し中の事故でヒロインサリー・イップを失明させてしまう。
罪の意識を抱いたチョウ・ユンファは正体を隠してサリー・イップに近づき、彼女の面倒を見始める。
彼を追う刑事と拳銃を突き突きつけ合ったまま、サリー・イップに「友達だ」と紹介するなど、名シーンも多い。
ラストの教会での銃撃戦は見もの。
後のジョン・ウーのトレードマークとも言える鳩が飛び、ショットガンでマリア像が吹っ飛ぶなどが印象に残っている。

『ミッション:インポッシブル2』ではジョン・ウー的記号でしかなかった鳩が、この作品では演出的技法として使われており、素晴らしい。
マリア像や十字架のカットインも素晴らしい。
男の中の男の映画。
今回の敵側ボスは『男たちの挽歌1,2』で手下をやっていた人。
う~ん、出世したもんだ。

2004年06月07日

『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』

『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(2002) 監督:ジェイ・ローチ 脚本:マイク・マイヤーズ/マイケル・マッカラーズ 出演:マイク・マイヤーズ/マイケル・ケイン/ビヨンセ・ノウルズ/マイケル・ヨーク/セス・グリーン/ロバート・ワグナー/フレッド・サヴェージ/ミンディ・スターリング/ヴァーン・J・トロイヤー

 どうにかこうにかギリギリなんとかかろうじて最低限の出来にはなっていた『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』である。その理由は、マイク・マイヤーズが今回はそれなりに真面目に作品に取り組んでいたからであろう。前二作はふざけていたためにまるで面白くなかった。
 コメディでふざけていてなんでいけないの?と思われる方もいるかもしれないが、出演者がニヤニヤとにやけているようでは観ている側は白けてしまい笑えない。例えば『ホットショット1、2』はわたしの好きな映画であるが、この作品の中で主演のチャーリー・シーンはひたすら真剣に真面目な表情でバカなことをする。これがもしチャーリー・シーンがニヘラニヘラしていたらどうだろう?まるで面白くないはずだ。もともとはシリアスな役者であるチャーリー・シーンのシリアスな表情とバカな行動とのギャップが笑いを生み出しているのである。
 『裸の銃を持つ男』などのレスリー・ニールセンも『禁断の惑星』を観ればわかるように本来は知的な二枚目系の役者である。その彼が真面目な顔でギャグをやるのが面白かったのだ。しかし、どうも最近は「わたしは優秀なコメディアンである」と勘違いしているようで、妙な小細工のある演技をしているのが残念だ。レスリー・ニールセン自身が笑わせようという計算はしない方がいいと思うのだが。
 そういった訳で、『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』を一番理解していたのはマイケル・ケインかもしれない。イギリス俳優の奥深さを感じさせる。なにしろ『ハンナとその姉妹』から『ジョーズ'87復讐篇』までこなしてしまう男なのだ。
 単に愚鈍な下ネタを連発していた前二作に比べると、それなりに頭を使ったギャグもあった。日本企業の社長との会話のシーンで使われた、字幕ギャグは、わたしの知っている限りではこれまでになかった種類のギャグだ。
 しかし、結局最初にいったように“最低限”の作品でしかない。以前にも言ったことがあるが、バカと頭が悪いは違うのだ。『オースチン・パワース』シリーズはひたすら頭の悪い作品である。Dr.イーブルと和解してしまったりと、どうやらこれで打ち止めといったラストであるが正解だろう。マイク・マイヤーズの次回作に期待する、と言いたいところだが期待しない。マイク・マイヤーズはダメだと思う。思い出してみれば、『ウェインズ・ワールド1、2』もまるでダメな作品だった。ロックバカ二人組を主人公にした映画ならば『ビルとテッド』シリーズを観た方がいい。こちらは傑作である。売れる前のキアヌ・リーブスがバカを演じきっている。いや、演じているというよりキアヌ・リーブスはバカなんだと思う。

『オーロラの彼方へ』

『オーロラの彼方へ』(2000) 製作・監督:グレゴリー・ホブリット 出演:デニス・クエイド/ジム・カヴィーゼル/エリザベス・ミッチェル/アンドレ・ブラウワー/ノア・エメリッヒ

最大のメッセージは『煙草を吸うと肺ガンになるから止めましょう』ってことだな。

「オチからいうとそうかも知れませんが、オーロラによる超自然現象によって、
    無線機で30年の時を超えた父と息子の親子愛の物語でしょ」

予告編を観たときはそうおもったんだけどね~。
実際に観に行ったら、もっと意外な作品だった。良い意味で期待を裏切られたって感じかな。
まずは30年前に死んだ父と無線機で話しが出来るというファンタジーとして始まり、息子のアドバイスによって父親が助かる。しかし、そのことによって未来が変わりタイムパラドックスが起きる。ここら辺はSFだね。
そして看護婦ばかり狙う連続殺人鬼に看護婦である母親が殺されてしまい、そこから1969年の父親と1999年の息子とが力を合わせての犯人追跡が始まる。サスペンススリラーだよね。

「なんか、ジャンルがてんでバラバラですね」

うん。 これだけの違った要素を1つにまとめあげた脚本が良く出来ている。
例えば、ラストで使われる散弾銃にしても、映画の冒頭でチラッと出てくるし、「息子は医療ミスで死にました」といったセリフなども後々への伏線なんだ。
最後はこれで終わりか、とホッとさせつつも、そこからもう一波乱ある。
細かいところまできっちりと練り上げられているね。
演出もその脚本を受けて、きっちりと撮っている。

主演は父親がデニス・クエイド、息子がジム・カヴィーゼル。二人ともハマリ役だね。
デニス・クエイドは笑ったときの頬の持ち上がり方が宍戸錠を思わせる。好きな役者だな。
それと、息子の子供の頃からの友人として『トゥルーマンショー』でトゥルーマンの友人を演じていた俳優が演じている。この俳優の名前までは知らないが、悪役専門の役者がいるように、主人公の友人を演じさせたら一番なのかな?

過去で銃によって手を吹き飛ばされたら、未来で手が消えていく。
この時のCGの使い方が上手いね。大げさにCGを使う作品は多いが、ちょっとしたシーンで使う方が難しいはずだ。

この映画最大のギャグは『ヤフー』だな。
ボロ車に乗っていた友人がラストにはベンツに乗っているシーンは笑わせてもらった。

結論
「千年たっても、アメリカの学生が学校で教わることが3つある。それは憲法、ロックンロール、そして野球だ」

「煙草は止めよう」だな

『鬼軍曹ザック』

『鬼軍曹ザック』(1950)
監督・原作・脚本:サミュエル・フラー
出演:ジーン・エヴァンス/ロバート・ハットン/スティーヴ・ブロディ/ジェームズ・エドワーズ/リチャード・ルー/ウィリアム・チャン


 最前線物語を思い出させる「戦場では生き残ることが全て」という作品。
 第二次大戦の生き残りザックは朝鮮人の少年にも同じだけ荷物をもたせ、対等に扱う。
 アメリカ兵の死体については「死人の事は放っておけ」と関心を払わない。
 はみ出し者の部隊の中で最後まで生き残るのは、黒人の衛生兵とハゲ頭と日系人とそしてザックの4人だけである。
 少年の書くお守り。
 ザックは自分で捕虜を撃っておいて、衛生兵に必ず助けろと怒鳴る。
 生き残った者は、また部隊に加わり戦場を歩き始める。
 最後の言葉「彼らの戦いに終わりはない」

 この映画を観て「戦争は良くない」などとだけ言うことの貧しさとつまらなさ。

『キックボクサー』

『キックボクサー』(1989) 監督:デヴィッド・ワース 出演:ジャン・クロード・ヴァン・ダム/デニス・アレクシオ/ハスケル・V・アンダーソン

なんてったってあのジャン・クロード・バン・ダムの主演作だということで、かの名作「シンデレラボーイ」で魅せられて以来のファンとしては映画館に駆けつけてしまうわけだ。
しかし「ブラッドスポーツ」やら「ブラックイーグル」やら「サイボーグ」などどうも出る作品が駄作ばかりなので不安は多いにあった。
監督が「ダーティーファイター」などのイーストウッド作品やあの「レモ第一の挑戦」などで撮影監督をやっていた男だということで「今度こそ…」という思いがあって、それで結局面白かったのかというと、これがなんとも嬉しい素敵な映画だったのだ。
話自体は兄のかたきを討つという単純なものなのだが、修行映画の王道を行くような素直な作りが気持ちいい。
思いっきり低予算と言うことが分かる始まり方をするが、ジャン・クロードとその兄貴が狭そうな船に並んで座って、ジャンがしきりにバンコクの風景を写真に撮っている辺りのおおらかさでそんな些細なことはどうでもいいと思えるようになる。
なんといっても悪役のトン・ポーの登場シーンがいい。
しきりにコンクリートの柱を蹴り続けるハゲが振り向いて不気味に笑う。
こんな奴いねーよとチャチャを入れる隙さえ与えない。
こいつだけでなく主人公を取り囲む登場人物が魅力的に描けているのも嬉しい。
師匠となるジアンはどう見たって「レモ」のチウンを思い起こさせるジジイで「この野郎パクッたな」とも思うが、このとぼけた感じがなんとも面白い。
だいたいこういう修行物では師匠の存在が重要となるもので、ジャッキー・チェンの初期の「蛇拳」などのジジイや「ベストキッド」のパット・モリタなどの、どちらかというとボケをかますといったタイプが多いわけだが、そういったところをちゃんとやっているのはえらい。
元軍人の黒人にしたって、登場の仕方や話のかかわり方はかなりいい加減な物だが、ラスト近くM-16を手に逆光で登場されるとやはりカッコいい。
タイ人の少女もなかなかよく、ジャンとの純愛もほのぼのしていていい。
この娘が悪者に捕まるところは、いきなり捕まっているという思いきった省略がされていて、なかなかこんな事は出来るものではない。
この作品のメインはその修行シーンにあるのだが、真剣さの中にもとぼけた味がくわわっていて楽しい。
犬に追いかけられるところとか、突然水槽から顔を出すところ、椰子の実を落とすところの人間の位置関係の使い方など。
そしてラストの対戦シーンになるわけだが、さすがにこの監督アクションの撮り方を心得ている、なんといってもえらいのはスローモーションをほとんど使っていないということである。
手のロープを切るところでもスローモーションと通常スピードの部分をうまく組み合わせていて、うまくスローを使っている。
トン・ポーを倒した後、悪役のボスにも蹴りをいれるところなど実に嬉しい。
この作品、確かに考え抜かれて撮られたというものではない。
しかしおごったりもったいぶったりすることのない素直な演出は見ていて気持ちがいい。
無思考による純映画の好例であると思う。

『キャプテン・ザ・ヒーロー 悪人は許さない』

『キャプテン・ザ・ヒーロー 悪人は許さない』(1983) 監督:フィリップ・モーラ 出演:アラン・アーキン/クリストファー・リー

 監督のフィリップ・モーラは『ハウリング2、3』などのどーでもいいような駄作ばかり撮っている人なんですが、そんな人でも何作も創っていれば時として傑作を生み出すこともあるのです。この映画、傑作です。笑えます。カッコいいです。イカしてます。
 主人公はキャプテン・インビンシブルとしてアメリカを守っていたスーパーヒーローです。しかし着ているマントが共産主義の象徴赤色だから共産主義者だとなどと言いがかりをつけられ、赤狩りにあってアメリカを追われてしまい、今ではオーストラリアでホームレスになりアルコールにおぼれた生活をおくっています。
 そんな彼にアメリカ大統領直々の依頼が来ます。悪の帝王ミスター・ミッドナイトが催眠術でマンハッタンに黒人やユダヤ人を集め、地震発生装置で地震を起こして(だったかな?)彼らを根絶やしにしようとしているのです。彼は悪に挑むべく再び立ち上がりますが、空を飛ぶ能力すら失ってしまっているのです。そこで、リハビリ訓練を始めるのですが、果たして彼はスーパー能力とプライドを取り戻してミスター・ミッドナイトに勝つことが出来るのか否か?!

 作品としてはコメディなんですが、失意のヒーローが力と誇りを取り戻していく様は感動的です。空を飛ぶ時の「In to the Blue!」、磁力を発生させ金属を操る時の「Magnet On!」、これらのかけ声も最初は情けないのですが段々カッコよくなっていきます。
 それと、所々ミュージカルタッチになります。なにぶん観てから10年は経っていますので歌詞は曖昧ですが、悪と善との区別が付かなくなってしまった現代をキャプテンが嘆いて歌う「良い奴と悪い奴~、昔は区別が付いていた。良い奴は白い帽子、悪い奴は黒い帽子、一目で分かった。それが今ではどっちが白い帽子でどっちが黒い帽子か、ヒーローでも区別が付かない~」とか、酒から立ち直ったキャプテンをまた酒に溺れさせようとお酒の山を前にしてミスター・ミッドナイトが歌う「ジン、ラム、モスコミュール、テキーラサ~ンライ~ズ~」。そしてエンディングの「彼はアメリカンドリーム、ア~メリカ~、なんたらかんたらキャ~プテン、インビンシブ~ル~」。どれもこれもイカしてます。サウンドトラックが是非とも欲しい!んですが、出てないでしょうなぁ。
 主役のキャプテン・インビンシブルはアラン・アーキン。そしてなによりミスター・ミッドナイトを演ずるクリストファー・リーがメチャクチャカッコいい。黒ずくめの格好が似合っています。やはり悪役がいいと物語は盛り上がりますね。クリストファー・リーは近作『ロード・オブ・ザ・リング~旅の仲間~』でも悪の魔法使いを堂々と演じていましたね。
 ビデオはとっくに廃盤のようですが、なんとかDVDで再販してもらいたい一作です。

『キラー・バグズ』

『キラー・バグズ』(2002) 監督:ジョシュ・オルソン 出演:ザック・ギャリガン/リサ・アン・ハドリー/ダニエル・ジェンキンス/エイミー・ジョー・ジョンソン

 レンタルビデオ屋の新作棚に『キラー・バグズ』(2002)というのがあったので借りる。
 観終わった感想としては「うわー頭悪い映画~」の一言。
 借りようかな?と手を伸ばしているB級映画好きのあなた。考え直す余地はあります、B級というよりD級。

 昆虫パニック映画+ゾンビ映画+復讐映画という構成からしてすでにわけ分かりません。あと侵略者映画も入ってますね。ラストは『SF/ボディ・スナッチャー』(1978)まんまのカットだし。
 なんの複線もなく唐突に登場する犯人には驚くというより「何故?何で?っつーか誰?」で、少しは考えて脚本書けって感じです。
 ハエぐらいの虫の襲来や虫に襲われてゾンビ化した首無し人間などはCGで作られています。CG技術の向上によってこれまで描写できなかった映像を作り出すことが可能になったのはいいのですが、考えなしに使うとこうなるよという見本のような映画です。
 唯一収穫だと思ったのが、虫を一カ所に集めて燃やして退治しようという時の、その火種がチャッカマンなのです。
 なるほど、アメリカにもチャッカマンはあるんですね。なるほど、バーベキューとかで重宝しそうです。向こうではなんという名前なんでしょうか?Chyaka-MAN?

『キング・ソロモンの秘宝』

『キング・ソロモンの秘宝』(1985) 原作:H・R・ハガード 監督:J・リー・トンプソン 出演:リチャード・チェンバレン/シャロン・ストーン/ハーバート・ロム

 『レイダース失われたアーク』が1981年だから、時期的には二番煎じな作品なのですが、H・R・ギーガーじゃなかったH・R・ハガード原作でして、1937年など過去にも映画化されているので、そもそもはこちらが本家と言えなくもないかと。『レイダース』はスピルバーグとルーカスが昔の冒険活劇みたいやりたいってんで作ったんですからね。
 アフリカを舞台に冒険野郎クォーターメインと行方不明になった考古学者である父を捜す女性が、キング・ソロモンの秘宝をめぐってドイツ軍とやりあう。と、典型的な冒険物語です。人食い人種に巨大な鍋で煮られて食われそうになるなんて、今時なかなかありませんよ。
 ドイツ軍の乗った列車に銃を持って突っ込んだクォーターメインが、あまりの敵の多さにラッパを吹いてごまかすなど笑えるシーンも多く、分類上はアクション・コメディですかね。
 ドイツ軍側の悪人として『レイダース失われたアーク』でインディに協力するエジプト人をやっていた人が出ています。このキャスティングはわざとなんでしょうねぇ。こいつは底なし沼に兵隊を進ませておいてそこを機関銃でバリバリ撃ち、その死体の上を歩いて渡るなど、根っからの悪党です。
 監督はJ・リー・トンプソン。ベテランらしくきっちり楽しませてくれます。主役はリチャード・チェンバレンとシャロン・ストーン。この頃のシャロン・ストーンは割と良かったですね。その後はどーにかしてくれって女優になってしまいましたが。
 続編も作られましたが、そっちはクソです。

2003.09.26追記
 『キングソロモンの秘宝』のDVDが出る~。
 同じアラン・クォーターメインが主人公の『リーグ・オブ・レジェンド』の公開が近いからだろうか?
 『リーグ・オブ・レジェンド』のクォーターメインはショーン・コネリーだが、こちらはリチャード・チェンバレン。わりと好きな役者なんだが、あまり賛同を得たことがない。やはり『タワーリング・インフェルノ』がいかんかったのかなー。そういえば、『ボーン・アイデンティティー』が昔テレヒューチャーになったときボーンを演じたのもチェンバレンだった。記憶がない状態で、渡された拳銃を本人が意識することなく勝手に手が動いて分解するシーンがカッコよかった。
 てなわけで、12月5日に発売である。
 それにしてもDVDの通販サイトディスクステーションでの商品紹介がなんとも悲しくて・・・ストーリー紹介の最後に
 「冒険映画の要素は充分備えているのに、安っぽい効果と要領を得ない演出が退屈な作品にしてしまっている。」
 だって・・・きっちり冒険コメディ映画に仕上がってるわい。安っぽい効果ったって『レイダース』とは予算が1桁か2桁は違うんだぞ。要領を得ない演出だと、監督は御大J・リー・トンプソンだぞっ!っていうか、ほぼ基本通りに冒険ものの演出やってるぞ。どこが“要領を得ない”んだ?ひょっとして、時々入る不条理系のギャグをあんたが理解できてないだけじゃないのか。
 どうにも売る気がないんじゃないかと思わせる商品紹介だ。いらない物まで思わず買わせてしまうテレビショッピング(特に海外系)の話術を見習えっ! じゃぱねっとたかたの社長に弟子入りしてこいっ!

『グリーン・デスティニー』

『グリーン・デスティニー』(2000) 監督:アン・リー 出演:チョウ・ユンファ/ミシェル・ヨー/チャン・ツィイー/チャン・チェン

コロンビアピクチャー作品だからハリウッド資本のアジア映画といったことになるのかな。
まてよ、コロンビアピクチャーはSONY資本か。
昔の中国を舞台に、二組の男女の愛が剣劇と共に繰り広げられる。

「なんていうか、チグハグな感じのする映画でしたね」

そうだね。ロマンス部分とアクション部分が完全に乖離してしまっているよね。まるで2本の映画を無理やり編集で1本につなげてしまったかのようだ。
シーンとシーンを黒身カットでつなげるなどの手法を取っていたり、全体の演出から考えるに監督は文芸肌の人なんじゃないかな。ロマンス映画に無理やりアクションシーンを押し込んだってのが本当のところかな。

「でもアクションの出来は良かったですね。アクション監督は『マトリックス』でクンフーの振り付けをやったユエン・ウーピンですし。茶店での闘いのシーンなんかカッコよかったですよ」

うん。とにかく人が飛ぶ、跳ねる。
屋根の上から上へと飛ぶ、竹林の枝の上を飛びながら戦う、水面すら跳ねて飛ぶ。
『チャイニーズゴーストストーリー』とかの頃は吊っているワイヤーが丸見えだったけど、CGや合成を使ってワイヤーを消しているんだろうね、全然見えなかった。

チョウ・ユンファとミッシェル・ヨーが出演していて、二人は心の奥で愛し合っている。
役者としての格から考えれば二人が主役なんだろうけど、本当の主役はもう一組の若い男女の方かな。あえて言うならチョウ・ユンファとミッシェル・ヨーは特別出演っぽいね。
個人的にはチョウ・ユンファの剣劇シーンが観れたから満足かな。かなり練習したんだろうね。

「チョウ・ユンファってアクションはどうなんですか」

喫茶店でウエイターをやりながら俳優を目指していた人だから、例えばジェット・リーみたいな武術を鍛錬してきた人とは違うね。銃を使ったアクションは多いけど、クンフー的なアクションは『狼たちの絆』で観たぐらいかな。
今回も激しいアクションはミッシェル・ヨーに任せてるしね。

『グリーンマイル』

『グリーンマイル』(1999) 監督・脚本:フランク・ダラボン 原作:スティーヴン・キング 出演:トム・ハンクス/デヴィッド・モース/ボニー・ハント/マイケル・クラーク・ダンカン/ジェームズ・クロムウェル/マイケル・ジェター/グラハム・グリーン/ダグ・ハッチソン/サム・ロックウェル/バリー・ペッパー/ゲイリー・シニーズ/ハリー・ディーン・スタントン

監督は『ショーシャンクの空に』のフランク・ダラボン。
結論から言ってしまえば、原作に忠実にまじめに撮っている。
しかし、それだけ。
『ショーシャンクの空に』もそうであったが、この監督は自ら描きたいシーンというのはないのであろうか?
原作の通り、まじめに。そのまじめがいけないのか?
『ショーシャンクの空に』の原作が『刑務所のリタ・ヘイワース』という題であったり、『グリーンマイル』が全6巻を1ヶ月ごとに分けて出版するといった、キングが持っている茶目っ気が抜けているのである。
全編を通して、これといった突出したシーンもなく、観ていて退屈とまではいかないが、原作を読んでいれば観る必要はない。
とにかく、3時間は長すぎるんじゃないだろうか。

ハリー・ディーン・スタントンが死ぬほどもったいない使い方されてます。
あの名優(奇優?)を・・・もったいない。

『クリムゾン・キモノ』

『クリムゾン・キモノ』(1959) 監督・脚本:サミュエル・フラー 出演:ジェームズ繁田/グレン・コーベット/ヴィクトリア・ショウ/アンナ・リー

 突然殺人が起こるオープニング。
 この事件を追う白人と日系人の二人の刑事を描いているが、刑事映画よりも白人の絵描きの女性を巡る三角関係が中心になる。
 白人刑事は絵描きに惚れているが、絵描きは日系刑事と恋に落ちてしまう。
 犯人も含めてごく普通の人ばかりなのに突然起こる暴力。感情の爆発。
 ストーリーに意味はない。その素晴らしさ。

2004年06月08日

『クリムゾン・リバー』

『クリムゾン・リバー』(2000) 監督:マチュー・カソヴィッツ 出演:ジャン・レノ/ヴァンサン・カッセル/ナディア・ファレス

思いっきりネタバレしますので、未見の方は気をつけて。

地上50mの断崖絶壁に吊るされていた胎児の形に縛られていた猟奇的な死体。
それを捜査するジャン・レノ。
かたや、墓荒らしと小学校の資料室荒らしを捜査するヴァンサン・カッセル。
このまったく別々に思えた事件が、いつの間にか結びついていく。
ちょいと唐突な感がしないでもないが、演出は割に丁寧なので気にならない。
ただ、二人が別々に捜査しているときの方が魅力的で、二人が一緒になってから少しトーンダウンしてしまう。
1+1=2になっていないのが残念なところ。
結論から言ってしまえば、この映画の悪役はナチスドイツとかファシズムです。
頭の優れた人と身体の優れた人の子供は頭も身体も優れているという『優生学』。その考えに基づいて運営されている大学が悪役なのである。
フランスにとってはドイツという国は許せても、いまだナチスドイツは悪なのだ。

その大学に復讐するために殺人犯は殺人行為を繰り返し、最後には雪崩で大学を埋めてしまおうとする。その犯人はジャン・レノが惚れたヒロイン、とラストまで思わせながら、唐突にそのヒロインの双子の姉妹が登場。
その姉妹が真犯人だったのだ~!!なんという衝撃的なラスト!!
って、分かるかい、そんなの。
大体、その姉妹は20年も前に死んだはずになっていたのが実は生きていたってことなのだが、その20年間、どこでどうやって暮らしてたんだ?
原作小説があるらしいので、そっちではもう少し詳しく書かれてるんでしょうが。

『セブン』あたりを思わせるサイコ・サスペンス的な部分。
『バーティカル・リミッツ』あたりを思わせる山岳でのアクションシーン。
わりにハリウッド的な印象のフランス刑事映画でした。

フランスでヒットしたのは分かるのだが、日本でヒットした要因は何なんだろう?女性の観客が多かったしジャン・レノ人気なのかな。

「ジャン・レノってそんなに人気あるんですか」

『レオン』とかあるし、CMにも出てる。わたしは大好きなんだがな。

『最終絶叫計画』

『最終絶叫計画』(2000) 監督:キーナン・アイヴォリー・ウェイアンズ 出演:アンナ・ファリス/ジョン・エイブラハムズ/ショーン・ウェイアンズ

ホラー映画をパロったバカ映画。
ベースとなっているのは『スクリーム』シリーズと『ラストサマーシリーズ』ですが、他にも『マトリックス』、『ブレアウィッチプッロジェクト』などてんこ盛り。
逆に言えば、そこら辺の作品を観ていないと、取り残されてしまうかもしれない。
わたしはパロディのもとになる作品はかなり観ていたが、この映画はほとんど笑えなかった。
ガスレンジにかけていたポップコーンが、電話中に超巨大に膨らんでいるとか、殺人鬼に追いかけられて、階段からおばあちゃんやピアノなどを落とすというギャグのためのギャグでは少し笑ったが、全体的に悪い意味での下品であふれかえっていて、「下ネタやりゃあ客は笑うだろう」という安易さが見て取れる。
バカと頭が悪いは違うわけで、個人的分類としてはこの作品は頭が悪い映画になる。

映画館で話しまくり携帯電話かけまくりの女の子が、殺人鬼が殺そうと思っている間に怒った周りの観客によってたかって殺されてしまう場面はよし。

『サイダーハウス・ルール』

『サイダーハウス・ルール』(1999) 監督:ラッセ・ハルストレム 脚本・原作:ジョン・アーヴィング 出演:トビー・マグワイア/シャーリズ・セロン/デルロイ・リンドー/ポール・ラッド/マイケル・ケイン

孤児院で望まれぬ子として生まれ、2度引き取られるも2度とも孤児院に返されてしまい、そろそろ少年から青年になりかかった一人の男。
そんな主人公の“自分探し”のお話です。

自分は何のために生まれたのか、自分は何をすべきなのか、自分を必要としてくれる人はいるのか。
孤児院を出た主人公は果樹園(Cider house 果実もぎ労働者の宿舎)で働き始めます。
人は出会い、愛し合ったり、時には死んだりもします。
そして主人公は自分のなすべき仕事を見つけます。
それは、彼の中にもともとあったものなのか、出来事の中で生じたものなのか。
なにはともあれ、彼は自分を見つけます。
自分探しか~、若いときに一度はかかるハシカみたいなもんだよなぁ。かからない人はかからないけどね~。

てなことよりも、マイケル・ケインがやはりいい。
シリアスからコメディまでこなすイギリス俳優の鑑。
時々、『ジョーズ87復讐編』などわけの分からん作品に出る仕事を選ばないあの姿勢。
カッコいいですな。
今回はシリアスなマイケル・ケインでしたが、動きひとつひとつがとても洒落てます。
マイケル・ケインファンなら観るべし。
おやすみ、メイン州の王子。ニュー・イングランドの王