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『禁じ手』 痴漢は許さねぇ

『禁じ手』(1989) 監督:J・リー・トンプソン 出演:チャールズ・ブロンソン

原題がそのまんま“KINJITE”。囲碁の用語から取ったとかいう話だ。

「女だって触られるのを待ってるんだ」などと勝手な理屈で通勤電車内にて痴漢行為をしてはストレス解消していた日本人サラリーマンが、アメリカに転勤で家族共々やってくる。
このサラリーマンが困ったことにアメリカでもついついバスの中で若い白人女性に痴漢行為を働いてしまう。もちろん、向こうの女性は黙って泣き寝入りなどしないので大騒ぎになってしまう。しかも、その女性の父親がチャールズ・ブロンソン演ずるはみだし暴力刑事だったりするので、あっという間にサラリーマンは「俺の娘に何しやがる」とビッグマグナムで射殺されてしまって全て解決。めでたしめでたし・・・あれ?
もちろん実際には射殺されたりはしないが(*ポール・カージーならやりそうだ)。そしてサラリーマンの娘がギャングに誘拐される事件が発生し担当になったブロンソンは必死の捜査で少女を救出し・・・えー、10年ほど前に一度観たっきりなのであまり細かいことは覚えていないが大体そんな話だったはずだ。

例によって日本関連の描写には間違っている部分もあるが、別に正しい日本像を伝えることが目的の作品ではないので個人的にはたいした問題ではない。とかく外国映画に日本の人や物が登場すると「その日本への認識は間違っている、間違っている」と騒ぐ人がいるがそれがどうしたというのだ。東京人の持つ大阪への認識や大阪人の持つ東京への認識だって多分かなりいい加減だ。異文化を正確に捉えることは至難の業で、これはおそらく我々人類の永遠の課題だ。
それどころかこの作品では、アメリカ人にはさぞ奇妙に見えるであろう“群衆の中での痴漢行為”がきちんと描かれているのには感心するぐらいだ。「見ず知らずの男に体をまさぐられてうれしいわけがないだろ!」うむ、そりゃそうだ。
だが、1989年という時代背景を考えると、日本がバブル経済の真っ盛りでアメリカの土地建物や映画会社などを買いあさっていた頃なので、反日的意味合いも含めていたのは事実だろう。

J・リー・トンプソンとチャールズ・ブロンソンというお馴染みのコンビによる刑事映画だが、派手なアクションはほとんどない。そういった意味でも異色作だ。
日本未公開でビデオ化のみされたが、すでに大型ビデオレンタル店でも見かけなくなっている。DVD化は、うーむしなくてもいいか。アメリカでは発売されているようだが。

*ポール・カージー:『狼よさらば』(1974)を始めとする『デス・ウィッシュ』5部作でチャールズ・ブロンソンが演じた主人公。周りの人間が殺される・レイプされるなどの目に遭うと銃を持っては町へ出て悪党どもに復讐して回る暴力派建築設計士。というより、ポール・カージーに関わると酷い目に遭うというのが正解じゃないかと思う。彼と知人・友人になるのは避けるべきだろう。

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コメント (2)

けん:

狼よさらば は傑作ですね。ブロンソンは銃の構え方がきまっている。ロサンゼルスまでよかった。

東森時音:

けんさん
『狼はさらば』のラストでのブロンソンの指鉄砲は良かったですねぇ。
ただ、私は『スーパーマグナム』や『バトルガンM-16』も大好きだったりします。学生時代、30人ちょっといたシネマ研究会部員で賛同者は先輩がたった一人だったですけど。
シリーズ最終作の『キング・オブ・リベンジ』を未だに観ていないのが悔しくて悔しくて。

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