『キャンディマン』(1982) 原作:クライヴ・バーカー 監督:バーナード・ローズ 出演:ヴァージニア・マドセン、トニー・トッド
貧困黒人層が住む荒れ果てた公営団地。住人達の間では片腕が鈎爪の怪人“キャンディマン”のことが語り継がれていた。
都市伝説を研究する大学院生ヘレンは、実地検査で公営団地に赴き“鏡の前でキャンディマンの名前を5回唱えるとキャンディマンが現れる、との噂を耳にし好奇心に駆られて5回唱えてしまう。その時から、ヘレンの周りで奇妙な事件が起き始めるのだが・・・
キャンディマンはまだ奴隷制度があった頃の人物で、白人の娘と禁断の恋に落ちてしまったためリンチにあい殺されてしまった。この作品は誰かがキャンディマンの伝説を利用して殺人事件を起こすというのではなく、実際にキャンディマンが都市伝説の中でしか存在し得ない亡霊として現れる。
人々がキャンディマンの伝説を忘れそうになった時に、キャンディマンは再び現れ人を切り裂いてはその存在と人々の記憶に焼き付けるのだ。
この都市伝説の中でしか存在していられない怪物という設定が面白い。
『ルール』シリーズなど都市伝説を扱ったホラー映画はあるが、それらは犯人が都市伝説を利用して殺人を犯すといったパターンで、都市伝説が実在していたのとは違う。
人々が恐怖の対象であるべきフレディ・クルーガーの存在を抹殺しようとした時、人間が持つ恐怖の中でしか生きられないフレディがジェイソンを引っ張り出して恐怖を巻き起こしたのが『フレディvsジェイソン』
構造的に多少『キャンディマン』に似ているようである。
キャンディマンを演ずるトニー・トッドは黒人俳優で奇妙な威圧感を与える風貌をしている。『ファイナルデスティネーション』『デッドコースター』でも不気味な墓守を演じていた。
ヘレンを利用して恐怖を住民に味あわせたキャンディマン。そしてヘレンはキャンディマンに取り込まれることとなった。
さぁ新たなる都市伝説の始まりだ。