『トイ・ストーリー』(1995) 制作総指揮:スティーヴ・ジョブス 監督:ジョン・ラセター 出演:トム・ハンクス、ティム・アレン
ハリウッドで一番影響力のある人物としてピクサー社のスティーヴ・ジョブスとジョン・ラセターの二人が選ばれたそうだ。コンピューター界ではapple社のCEOとして知られるジョブスだが、ハリウッド映画界でも大物だったのだ。
そういえば、ジョブスのapple社CEOとしての給与は0ドルかほとんどなしということらしい。株もほとんど持っていないそうだ。つまり、CEOとして働いてもそれによってapple社の株価が上がってもジョブスには目に見える金銭的な得というのはないのだ。
うーむ、なんと献身的なのだろう。立派な人物ではないか。
というより、自らCEOを務めるピクサー社が作る映画がどれも大ヒットと飛ばしており、そちらの方で大もうけのウハウハのガッポガッポなので、別にapple社から給与をもらわなくてもお金には困っていないのだ。
本業:ピクサー社CEO 趣味:apple社CEO なのであろう、きっと。
(ある意味、apple社が潰れてもジョブスとして損はないわけだから、失敗を気にせず他社では出来ないような思い切った積極策を取って、それが上手くいき現在のappleの好調に結びついた、というのは深読みしすぎか)
3DCG映画に関してはピクサー社のほぼ一人勝ち。
これまでは配給をディズニー社に頼ってきたが、かなり不利な条件での契約だったらしい。だが、それもあと数作で終了する。ディズニーとの再契約はないようなので、ワーナー・ブラザーズや20世紀FOXなどの他の会社と配給契約を結ぶことになるだろう。その際の条件は、現在のディズニーとのそれより格段に良くなると思われている。
実際、20世紀FOXは2002年に独自にフル3DCG映画『アイス・エイジ』を制作したが、技術的にはピクサームービーよりかなり見劣りがして、PS2の『ファイナル・ファンタジー』ゲーム中のムービーシーン程度じゃないか?と思えるほど。
もちろん、CG技術=映画の出来でないことは、『ファイナル・ファンタジー劇場版』(2001)を見れば誰の目にも明らかなことであるが。
ピクサー社の本格的デビュー作『トイ・ストーリー』(1995)はすでに9年も前の作品だけあって、今観ると技術的にはもう古い映画だ。人形たちのシーンはまだしも、人間が出てくるとかなり映像的にキツい。だからこそ人間は脇役で人形を主役にして、技術的限界を巧みに回避したわけだ。もともとが単純な線の人形ならば映像のリアリティ面で有利である。
そしてなにより、演出・脚本面で優れているからこそ面白いのだ。CGを売りにしてもそれは1本目としてしか通用しない。CG映画だから人は観に来るわけではなく、面白い映画だから観に来る。
『トイ・ストーリー』は子どもだけではなく大人の鑑賞にも堪える作品になっており、その後のピクサー社の独走も納得である。