『穴/HOLES』(2003) 監督:アンドリュー・デイヴィス 出演:シガーニー・ウィーヴァー、ジョン・ヴォイト、シア・ラブーフ
少年スタンリーの父親は靴の臭いを消し去る研究をしている市井の発明家。ある日、スタンリーは陸橋の上から落ちてきたスポーツシューズを、父の実験に使ってもらおうと拾って持ち帰ってしまう。ところが、その靴がメジャーリーガーが施設のオークション用にプレゼントし、会場から盗み出された物。
警察に逮捕されたスタンリーは窃盗罪の判決を下され、砂漠の干上がった湖のほとりにある青少年厚生施設に送られた。
そこでは、集められた少年たちが人格矯正のためとしてひたすら干上がった湖にシャベルで穴を掘り続ける毎日。この穴掘りは一見無目的な行為のようだが、どうやら、所長のシガニー・ウィーバーは地面の下の何かを探しているようなのだ。
そしてスタンリーが語るイギリスから開拓時代のアメリカに渡った3代前のご先祖の話、湖がまだ満々と水を貯えていた頃の白人教師と黒人のタマネギ売りとの禁じられた悲しい恋、女を頭にした盗賊団など、まったく関係ないかに思われるエピソードが挿入される
しかし、それらはラストに向かって一点に収集していき、意外なつながりで結びついていって、一種の奇跡を生み出すのだ。
そこには爽やかな感動が待っている。なんと、これはファンタジー映画なのであった。
ファンタジーだと思えば、そのまんまの伏線もあまりにもの展開も問題なしだ。
キャンプの少年たちが単なる脇役で終わっているのが残念だが、その分悪役のキャンプ職員たちががんばっている。シガニー・ウィーバーやジョン・ボイトと実に濃い面々だ。
監督は『逃亡者』(1993)『沈黙の戦艦』(1992)のアンドリュー・デイヴィス。
劇場未公開が少々残念な一本。