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『ラン・ローラ・ラン』 真っ赤な髪をなびかせて

『ラン・ローラ・ラン』(1998) 監督・脚本トム・ティクヴァ 出演フランカ・ポテンテ、モーリッツ・ブライブトロイ

 ひょっとしたらこの作品のアイディアは、プレステかなにかでアドベンチャーゲームをプレイ中に思いついたんじゃないだろうか。
 制限時間は20分、クリア条件は10万マルクを手に入れて彼氏の元にたどり着くこと。さあ、ゲームスタート。プレイヤーキャラのローラを操作しベルリンの街を西へ東へ。登場人物と会話したりアイテムをゲットしてゲームを進めるがバン!ローラ死亡。ちくしょう、どこかで選択肢を間違えたな。再スタートだ。2度目のプレイなので最初よりタイムロスを減らせたし10万マルクも手に入れた。ゲームクリアか?ドン!またダメだ。3度目の正直でどうだ。シナリオのトラップには気を付けて、やったついにクリアだっ!・・・という内容ではあるんだよな、ある意味。

 ダメ男の彼氏が犯罪がらみの金10万マルクを紛失してしまった。20分以内に金を用意しないと彼氏の命が危ないとベルリンの街に飛び出してく主人公ローラ。ちょっとした選択肢の選び方次第でまったく違う形で進んでいくストーリーが3度に渡って繰り広げられる。上映時間が81分と短いせいもあるが、とてもテンポが良く観ていて楽しい。
 この作品の大きな魅力の一つがローラの走りっぷりだろう。演ずるフランカ・ポテンテはあまり美しいとも可愛いとも思えないが、水色のタンクトップを身にまとい真っ赤に染めた髪を風になびかせて疾走する姿は実にカッコいい。かなり長いカットもあるのだが息も切らせずに真っ正面を見据えたまま走る。そのくせどこに向かって走っているのか時にはローラ自身にも分かっていないのもいい。
 基本的に娯楽作品なのだが、ローラとぶつかるなどして関わった人のその後が何枚かの写真で語られる場合があり、ある時はLOTOくじで大金を当て次の回では宗教に転んでいたりするのだが、そんな中に、ホームレスになっていたり自ら命を絶っているケースが入っている辺りにドイツ映画を感じる。

「大きなガラスを運んでいるシーンが登場した場合、間違いなく車などが突っ込んでガラスが割れる」の法則がきっちり守られているのもうれしいところだ。

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