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『地獄のヒーロー』 捕虜を奪還しろ!

『地獄のヒーロー』(1984)のDVD 監督ジョゼフ・ジトー 出演チャック・ノリス

 チャック・ノリス主演作としては日本初お目見えの作品で、これと言って突出したところのない凡庸なアクション映画。この後、なにかというとチャック・ノリス主演作は『地獄のヒーロー』のタイトルが付くが、ベトナム戦争戦闘中行方不明者(MIA)を扱ったブラドック大佐モノは3まで。個人的にはチャックファンやB級アクション映画ファン以外の人には、「戦争中に死んだと思っていたベトナム人女性の妻と子供を取り返しに行く」という戦争+父子モノの佳作『地獄のヒーロー3』しかお勧めしない。

 割に楽しめる『地獄のコマンド』(1985)と監督はおろか脚本などのスタッフもほとんど同じなのだが、最初に言ったようにどうにも面白くない。こんなもんだろと適当に作った感じで制作側のこだわりが見えてこないのだ。
 主人公ブラドック大佐(チャック・ノリス)はベトナム戦争中に一度捕虜になったものの辛くも脱出したのだが、そのことを引きずったまま酒に溺れている元軍人である。その彼が何故再び単独でベトナムに赴き捕虜奪還作戦を始めるのかという動機が見えてこない。ストーリー的に細かく語らなくとも、せめて雰囲気だけでも作ってほしい。ベトナム戦争にこだわりのあるアメリカ人にとってはこれでいいのかもしれないが、そこが描けていないと「なんかヒゲオヤジが銃持って暴れてる」としか思えないのだ。
 途中、敵側が撃ったバズーカで子供を含めた無関係の通行人が巻き込まれて怪我をするシーンがある。これは「こんなに悪いヤツらなんだぞ。だから問答無用でやっつけてもいいんだぞ」という説明のシーンであって、見ていてあまり良い感じはしない。
 どうにも辛口の感想になってしまったが、まこんなものだろう。
 ただ、同じくMIAモノの『ランボー2 怒りの脱出』(1985)より『地獄のヒーロー』(1984)の方が1年早いことだけは補足しておく。『地獄の7人』(1983)はさらにその1年前だが。

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コメント (4)

ネスカフェ:

そういえば、「地獄のヒーロー3」は、アメリカの
ベトナム戦争関連の作品ではほとんどテーマとして描かれない現地妻とその子供たちという
ものを扱ってますね。ググッていたらこの映画を話題にしたベトナム混血孤児たちの話がありましたが、本当に悲惨のひと言でした。この映画についてはレビューを書いて欲しいですね。あ、鬼畜な大佐がでる「2」も殺人鬼と対決する「4」も割と好きです。はい

東森時音:

ネスカフェさん

「地獄のヒーロー3」もそのうちちゃんと文章にまとめたいですね。
お気に入り監督のアーロン・ノリスのデビュー作だったはずですし、妻と子供がベトナムに取り残されていることをブラドックが知らなかったための伏線もちゃんとしていて、面白い映画なんですよね。
ラストに登場するロシアの戦闘ヘリ・ハインド(もどき)の登場シーンは実に怖ろしかった記憶があります。
「地獄のヒーロー4 ファントム」も殺人鬼の通称ファントムという名や、劇場に隠れ住む辺りが「オペラ座の怪人」のパロディになっていて好きですね。冒頭で偶然ファントムを逮捕できただけなのに、ヒーローに祭り上げられて苦悩するチャック・ノリスもイカしてます。
これ以降の「地獄のヒーロー」シリーズはもうブラドック物ではないんですが、まぁレスリー・ニールセン主演作のタイトルが「裸の~」になるのと同じなんでしょうね。
スティーヴン・セガールも何かというと「沈黙の~」だもんなぁ。B級の証なんでしょうか?
というわけで、好きですチャック・ノリス。

けん:

これはなかなか面白かった。アメリカでは結構ヒットしたはず。得意の後ろ回し蹴りも調子いい。ラストのMIAを連れてのりこむところも感動しました。俺は単純です。この映画でベトナム戦争戦闘中行方不明者というのを初めて知りました。

東森時音:

けんさん
『地獄のコマンド』や『野獣捜査線』を劇場で観た後にビデオでという順番だったので点が辛くなっている部分はあります。『地獄のコマンド』とはスタッフもほぼ同じなので期待しすぎちゃったんですよね。

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