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たんすの奥のもっと奥 『ナルニア国ものがたり』

『さいごの戦い』ナルニア国ものがたり7 C・S・ルイス 岩波書店

 小学校の低学年の頃、父親の背広が掛けてある衣装だんすに入り込むと、扉を閉めて真っ暗な中で「自分は今不思議な世界にいるんだぞ」と空想遊びをしていたことがある。下手をすると“危ない子”って感じだが、もちろん元ネタは『ナルニア国ものがたり』シリーズ。空想の中で一角獣やフォーンたちと遊んだり冒険を繰り広げたりしていた。
 ライトノベルズには現実世界の人間がファンタジー世界に飛ばされるという設定の作品がよくあるが、その元祖と言うべき作品で、4人の兄弟が田舎の古屋に置かれていた古い衣装だんすを通じて不思議の国『ナルニア国』を訪れ冒険を繰り広げる。
 原作は『ライオンと魔女』~『さいごの戦い』の全7巻で基本的に一巻完結。子供たちは大人になるとナルニア国に行けなくなり、次の世代の子供たちへと主人公が代替わりする。どうも最初からシリーズにすることは考えていなかったのだろうか第6作目の『魔術師のおい』が時代的には一番最初のことだったりする。
 翻訳は『指輪物語』の瀬田貞二氏。1960年代後半の出版なので多少古さは感じられるが、対象年齢は小学生3~4年なので『指輪物語』と比べるとはるかに読みやすい。わたしが読んだのは小学1、2年だったと思う。
 シリーズ後半になると説教臭さが強くなってストーリー自体も重くなり個人的にはイマイチな感もあるが、ファンタジーの基本としておさえておくべき作品だろう。

 で、ファンタジーなら今!ってなわけで『ナルニア国ものがたり』も映画化が決定した。
 てがけるのはディズニーで、まずは2作目の『ライオンと魔女』から。ニコール・キッドマンが白い魔女役だとも聞く。監督は『シュレック1、2』のアンドリュー・アダムソンで実写作品は多分始めてだが、『シュレック』を観た限りではけっこういけるんじゃないだろうか。

 もし今あの衣装だんすに入ったら底抜けるんだろうな~。

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