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その鶏、凶暴につき 『動物のお医者さん』

動物のお医者さん 第5巻 佐々木倫子 白泉社文庫

 3月に入ってもう10日になろうというのに寒い。暖かくなれば鳥インフルエンザ騒動も少しは収まるかと思うのだが。
 というわけで文庫版「動物のお医者さん」第5巻に収録されている第65話だ。この作品にはサブタイトルがないので65話だけではなんのとこやらだと思うが、要は主人公西根公輝(ハムテル)宅最強の生物ニワトリのヒヨちゃんがインフルエンザにかかるという話だ。

 元気がないヒヨちゃんを診た漆原教授は、「インフルエンザかもしらんし伝染性気管支炎か咽頭気管炎ということも考えられる」といい加減にも思える診断を下す。結局は「栄養剤を打っとけ」としか指示しない。抗生物質をやったら食えなくなるし(ヒヨちゃんはペットなんで食わないんだが。どちらかというとハムテルたちがヒヨちゃんに食われそう)そもそもインフルエンザだったら抗生物質は効き目がないのだ。
 ハナミズの検査で一週間後にインフルエンザであることが判明したヒヨちゃんだが、その頃にはとっくに完治して暴れ回っているのだった。さすが最強のヒヨちゃんだけのことはある。めでたしめでたし。

 これが最近の話だったらヒヨちゃんは処分されてそれっきりである。うーぶるぶる。とてもじゃないがドクトル・コメディにはならない。
 インフルエンザにかかったら、栄養をとって暖かくして回復するのを待つしかないってことなんだが、ペットで数羽飼っているだけならともかく、畜産業で何万羽とかいる場合は感染が出た鶏舎のニワトリは全て処分というか皆殺しにするしか手だてはないのだろう。「かわいそう」とかいう中途半端な情で生かしておいて感染がさらに広がりウイルスが人に感染するタイプに変異したらそれこそハザードだ。
 それでもやっぱ「かわいそう」&「もったいない」だけどね。

 政治家は「鶏インフルエンザは人に感染しないので大丈夫です」とか言ってるが相変わらず重みを持たない言葉だ。
 O-157のときのカイワレダイコンやBSEのときに牛肉を食べて安全をアピールしてたよな。今回も処分されて埋められようとしているニワトリの中から一羽取り出して、小泉首相と亀井農水大臣の二人で丸焼きにして食べればいいのに。
 まっ、前例と同じくほとんど意味のない行為になるんでしょうが。

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