« フォード・ピントにゃ気を付けろ | メイン | そのモノ、塩にして塩にあらず »

お風呂で読書 『よみきりもの』第6巻

『よみきりもの』第6巻 竹本泉 エンターブレイン

 例によって“ちょっと変わった人”や“かなり変わった人”による微妙に奇妙なお話を集めた短編集の新刊。
 『ふやけるお年頃』の主人公浜美絵は並はずれたお風呂好き。もちろん竹本泉氏のことであるから、当然のごとく入浴シーンがあるわけだ。もっとも、これっぱかしもいやらしくなくて、せいぜい健康的なお色気(古いたとえだな)ぐらい。
 で、58ページの1コマ目では美絵が風呂につかりながら本を読んでいる。そのとき、途中までたたんだ風呂のフタを机代わりにし、その上にタオルが一枚置いてある。そうそう、そうなんだよ。それが本来の入浴中の読書の姿なんだよ。もちろん、わたしも風呂で本を読む時はそうしている。

 風呂で読書しているというのはマンガなどで時々出てくるが、風呂のフタは完全に除けちゃってる場合が多い。おそらく、その方が画になるからなんだろうが、実際にやると腕が疲れるし、うっかりすると本を湯につけてしまうので具合が悪い。高河ゆんなんか文庫本を片手にシャワーを浴びているシーンを描いていたものな。もう、本ビショビショ。後で乾かしてもブワッとふくれてしまって読みにくくなる。1ページごとに吸い取り紙を挟んで水を吸い取らせると良いとはいうが、面倒だよなぁそれ。
 やはり、風呂のフタを机代わりにするというのが正しい入浴中の読書スタイルだろう。おそらく、竹本泉氏も風呂で本を読む人ではないかと推測する。
 美絵が読んでいた本のタイトルは竹本文字(*)なので読み取れないが、サイズからして文庫本だろう。
 個人的には、風呂で読む本は短編集をお薦めする。星新一のショートショートなんかどうだろうか。逆にディーン・クーンツなんかを持って入ると、この章が終わるまで、あと1ページだけ、とか言っているうちに一晩風呂で過ごすことになりかねない。ま、その場合良い出汁もついでに取れているかもしれないが。

(*)竹本文字:竹本作品に頻出する独自の文字で、背景の看板や登場人物たちの持っている小物に書かれている場合が多い。意味のない単なる模様だと思われるが、ひょっとすると独自の言語体系に基づいているなんてことはないな、うん。思いっきり崩した字の場合もあるなど多様な側面がある。研究者による解読が待たれるところだ。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/3717

コメント (2)

けん:

俺も半身浴をするのでよく本を読みます。今度星新一試してみます。

東森時音:

お風呂とは違いますが、ウチのトイレには本棚が置いてありまして、いしいひさいちなど四コママンガが置いてあります。パッと読んでいつでも読み終えることが出来る。
個人的にはそこに置いてある本をトイレ本と呼んでいますが、作者の方には非常に失礼ですね、これ。

コメントを投稿 携帯電話からは投稿出来ません