『最も高い密室』
中国に遅れること約10年、ついに日本初の有人宇宙飛行ロケットが打ち上げられる。
宇宙飛行士一人を乗せたカプセルは地球を数十周した後、小笠原諸島近海を着水点として突入角度に進路を変更。
宇宙飛行士とオペレーターが着水手順を確認した以後はカプセルが大気圏に突入したため通信不能になる。
無事大気圏突入をすませたカプセルはパラシュートでゆっくりと落下してくる。しかし、音声回線が復旧しない。
搭載コンピュータからのその他の通信に問題はなく、カプセル内数値にも異常が見られないため、たんなる音声回線の故障とされ、回収船は着水予定地点に向かった。
カプセルが白い波を上げ青い海原に無事着水。フロートもふくらんでカプセルは小振りの船となって海を漂う。
作業員が「地球へようこそ、ミスターアストロノーツ」とおどけながらハッチを開ける。
カプセル内は暗くそしてなにやらネットリとした匂いが漂ってくる。手にしたフラッシュライトで中を照らす作業員。光の輪の中に映し出されたのは血まみれの宇宙飛行士の死体一つだけ。深々と突き刺さった大ぶりのナイフがライトの光をギラッと反射した。
検死の結果、死因は胸部・腹部へのナイフによる複数の刺し傷。死亡時刻は発見のせいぜい10分前と推定された。
衛星軌道からの大気圏突入と着水までの間に殺人が行われたのは間違いない。しかし、衛星軌道上の宇宙飛行カプセルという『最も高い密室』で誰が如何にしてこの不可能なる犯罪を成し遂げたのか。
謎は謎を呼び、日本の宇宙開発に関する闇の側面も浮かび上がってくる。犯人の目的はいったい・・・
てな話を考えてみました。
宇宙開発に関わる大企業の思惑や利権争い、名をあげようとする科学者、純粋に宇宙を目指す宇宙飛行士などが複雑に関わり合って起こってしまった悲しい殺人事件・・・
問題は、どうやって大気圏突入中のカプセルという密室で殺人事件を起こすかというトリックがこれっぱかしも思いつかないってことですね。
うーん、物質電送装置で転送された殺人者が飛行士を殺して再転送で姿を消す。・・・なんだよ電送装置って。
人間縮小薬を持った殺人者が乗り込んでおり、飛行士を殺した後縮小薬でその身を5ミリ大に縮小したので発見されなかった。・・・だからなんだよ縮小薬って。
大気圏突入中のカプセルのドアを誰かがノックする。
新聞の勧誘員「すみません宇宙新聞とってもらえませんか?」
パイロット「いやうちは火星新聞だから」
勧誘員「火星新聞?駄目駄目あそこは偏向してるから、火星だけにアカだよ。ねぇ宇宙新聞にしなよ、3ヶ月でいいからさ」
パイロット「うーん、どうしようかなぁ?洗剤くれる?」
とうっかりパイロットがハッチを開けてしまったのが運の尽き。強引に乗り込んだ勧誘員がパイロットを殺害し、のうのうと立ち去る・・・
ああっ、わたしにはミステリーの才能がないっ!