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『キル・ビルVolume.1』 「ハゲじゃない、剃ってるだけだ!」

『キル・ビルVolume.1』(2003)
 大葉健二の「ハゲじゃない、剃ってるだけだ!」というセリフの存在で、わたしはこの映画を擁護する立場に回らねばならないのだろうか。

 同じセリフは1984年にも聞いた。
 場所は愛知県某市の東映系映画館。
 監督鈴木則文、主演黒崎輝でJACムービーの2作目として制作された『コータローまかりとおる!』(1984)の劇中でだ。
 大葉健二演ずる天光寺がコータローに向かって繰り返し言い放つ。
 「ハゲではない。この頭は剃ってるだけだ」と。

  ほぼ20年振りに耳にしたセリフ。
 久々に姿を見た大葉健二は元気そうであった。

 しかし、クエンティン・タランティーノは『コータローまかりとおる!』まで観ていたのだろうか?
 それとも大葉氏ないし日本側スタッフの提案なのだろうか。

 タランティーノが自分の好きな作品からあれこれとひたすらにオマージュやパロディを押し込んだ。
 その元ネタを観客が知っているか否かに露程の興味を示していないタランティーノはやはりマニアというよりオタクなのだろう。
 個人的には好きなスタンスではない。オタクが趣味に走って創った作品が鑑賞に堪える物になることはおそらくまれだ。
 分かってもらおうという気がないというか、分かってもらえなくてもいいというか、自分が楽しければいいのだろう。

 そして、「俺はこの元ネタ分かったぞ」、「俺なんかこいつも知ってるぞ」と些末な知識を空しく競い合うのもオタクだ。

 存分に楽しんだが、しかし同時にかなり疲れた。
 アニメのシーンが特に疲れた。
 心地よい疲労感ではなかった。

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