アレックス・コックスのデビュー作『レポマン』(1984)のDVDが発売されたので購入。
とにかくイカれたイカしたパンク・ムービーで、エミリオ・エステベスが実にバカでかっこいい。エステベスをレポマン(ローン未払い車回収業)の道に引き入れるハリー・ディーン・スタントンも名演だ。
数年ぶりの『レポマン』はやっぱり面白かったのだけれども、一つ問題がある。字幕だ。
細かくチェックしたわけではないが、いくつも誤植がある。例えば「母親のなってくれ」というセリフがあるが、これは「母親になってくれ」の間違いだろう。
誤植ならまだいい。映画の冒頭で失業し彼女にも裏切られたエステベスが、テレビ番組のタイトルが連なった歌を一人口ずさむシーンがある。そこに出てくる『ダラス』『ジェファーソンズ』『フリントストーン一家』という番組名はまぁ分かる。
だが、『土曜よるライブ』って何よ?
こいつは無理に日本語訳にしなくて『サタデー・ナイト・ライブ』のまんまでいいだろ。
せめて“よる”を漢字にしろよ漢字に。『土曜夜ライブ』・・・んーこれもなんだかなぁ。
いっそのこと全部漢字っ!『土曜夜生放送』っ!・・・ババンババンバンバン、ハービバノンノ♪オーッス!って感じだな。これじゃドリフだよドリフ。
あと宇宙人のせいでいきなり降り出した雹に、ラジオのニュースが
「この雹には科学者も首を振っております」
振ってどうする。お前はご臨終を看取る医者か?それを言うなら「首をかしげております」だろ。
『レポマン』はユニバーサル・ピクチャーズから発売されていて、日本語以外にポルトガル語、スペイン語、中国語など7カ国語の字幕が付いている。そして複製禁止の警告文も何カ国語かで延々表示される。
そこで推測されるのだが、おそらく日本語への翻訳と字幕付けの作業を、日本ではなくアメリカで行っているのだろう。タイトル自体が、日本専用として作られているわけではなく、原盤は一つでリージョンコードだけ変えた物をプレスしパッケージングしているのだ。
そしてアメリカで翻訳を行った人物および関係者が、日本語への映画字幕の翻訳に長けた人ではなく、そのために上記のような間違いが残ったまま商品化されてしまったというわけだ。
なるほど、納得。って、自分の推測に自分で納得してどうするっ!
・・・案外、“日本語字幕:戸田奈津子”だったりしてな。
一応注:『サタデー・ナイト・ライブ』・・・アメリカの有名なテレビコメディー番組。
『ブルース・ブラザース』はこの番組内の音楽コントから映画化。セガ・サターン発売のCMにも出演していた『コーンヘッズ』もこの番組のキャラクターです。ついでのオマケに言っておくと『ウェインズ・ワールド』もそう。前者と後者じゃえらい差ですが。
サタデー・ナイト・ライブ出身というと、他にはエディー・マーフィー、チェビー・チェイス、ビル・マーレー、ビリー・クリスタルなどがいます。最近だと『リーサル・ウェポン4』『9デイズ』のクリス・ロックもそうらしいですね。
無名だが才能のあるコメディアンを登用し、人によっては人気が出て映画界などにいったり、人によっては芽が出ずに消えていったりと、つねにレギュラーが新人に入れ替わっていく方式です。なにやらモーニング娘。とやらはそれのパクリなんでしょうか。まあ娘なんざわたしにはどーでもいいんですが。
ビデオで数回分だけ観たことがありますが、日本の番組で言うと『オレたちひょうきん族』が一番近いんでしょうか。コントの連続で番組を成立させるという点では『モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス』も似ていますが、あれはイギリスの番組だし。ともあれ、コメディと銘打っている割にはこれっぱかしも笑えない『コメディお江戸でござる』でないことだけは確かです。