SARSウイルス流行で小松左京の『復活の日』を思い出し、本棚の奥にしまってあったのを探し出して10数年ぶりに少しずつ読んでいたのが読了した。
1965年作という40年近くも前に書かれた作品にもかかわらず、非常に生々しく迫力のある作品だった。
もちろん、細菌兵器として開発されたMM-88と、動物から人間に感染したと思われるSARSウイルスを比べるのはある意味ナンセンスなので、それについては触れない。それよりも小松左京という作家のすごさに感心した。
細菌、ウイルス、地質学、社会学などについての知識。それらを組み合わせて一つの作品にする構成力。そしてストーリー上などに多少の無理が生じても、それをねじ伏せて読者に納得させる筆力。つくづく日本人離れした作家である。さすが力技で日本を沈めてしまっただけのことはある。
『さよならジュピター』でトホホな感じになってしまった小松左京だが、あれは映画がトホホなんであって、原作はかなり面白い。地球に衝突してくるブラックホールに木星をぶつけて防ぐというこれまた力技。だけど基本的にはちゃんと科学的根拠があって、それをちゃんと構築した上で大嘘をついているのだ。テロで妨害してくるのがどこかの国とかの政治的集団ではなくて、自然保護を訴える新興宗教というところなど、後のオウム真理教によるテロなどを思わせたりする。思想より宗教の方が危険なのだ。
ま、脚本や総監督として小松左京はクレジットされているので、原作は原作、映画は映画と言い切れない点もあるのだが・・・。でも、実はわたしあの映画って割と好きなんだよね。とかく批判される特撮もあれはあれで一つの味だし。ま、公開時(1984年)に劇場で観たっきりなんで、あんま憶えてないんすけどね。
ともあれ「君は~とっても大きくて~♪」ですよ。うん。