『U・ボート』(1981) DAS BOOT 135分(劇場版)/209分(ディレクターズ・カット版) 西ドイツ
監督:ウォルフガング・ペーターゼン 製作:ギュンター・ロールバッハ、オートウィン・フレイヤームス 製作総指揮:ルッツ・ヘンクスト、マーク・ダモン、エドワード・R・プレスマン、ジョン・W・ハイド 原作:ロータル=ギュンター・ブーフハイム 脚本:ウォルフガング・ペーターゼン 撮影:ヨスト・ヴァカーノ 音楽:クラウス・ドルディンガー
出演:ユルゲン・プロフノウ、ヘルベルト・グリューネマイヤー、クラウス・ヴェンネマン、ベルント・タウバー、マルチン・ゼメルロッゲ、クロード=オリヴィエ・ルドルフ、オリヴィエ・ストリッツェル、アーウィン・レダー、ハインツ・ホーニヒ、ウーヴェ・オクセンクネヒト、オットー・ザンダー
リアリティに拘った設定とストーリー。ついには実物大のUボートの模型まで作ってしまうほど。ちなみにこのUボートは『レイダース 失われた聖櫃』の終盤でも使われた。
これだけのクオリティの作品が元はTVのミニシリーズだったというから恐れ入る。映画並みの出来じゃないか。日本のTVシリーズを再編集してもこうはいくまい。ドイツ人恐るべしである。
今回観たのはDVDのディレクターズ・カット版。上映時間は3時間29分もある。普通の映画ほぼ2本分に匹敵する。この間『天国の門』で長時間上映の映画には懲りたところなのだが、性懲りもなくまた観てしまった。ちなみに劇場公開版は135分。何も起きないシーンが結構あるので、戦争活劇としてみる分には劇場公開版の方が適しているのかも知れない。ちなみにTVミニシリーズ版は313分だったそうだ。
とにかくUボートの中は狭い。通路は人がすれ違うのがやっとなほどだ。そんな中で乗組員達がなんと動き回ることか。急速潜航するために艦首で重しとなるべく艦首に向かって走り回る乗組員達。まるでオレも潜水艦の中にいるかのようだった。
潜水艦内部のセットでの撮影がほとんどなので、引きの絵がほとんどなく、寄りの絵が多かった。狭くて息苦しそうな閉鎖された空間。しかもそこは海の中。それだけでも精神的に辛いのに、ソナーの音に怯えては、何度も駆逐艦による爆雷攻撃を受けて命の危機に直面する乗組員達。
潜水艦はいったん海に潜ってしまえば、完全に盲目状態となり、浸水、耐圧、敵の爆雷攻撃など数々の恐怖に耐えなければならない。映画のオープニングによるとUボートの乗組員4万人の内3万人は帰還しなかったそうだ。
見所はジブラルタル海峡を抜けようとしてイギリス軍の攻撃を受け、海底まで沈んでしまったUボート。艦内が水圧できしみ、浸水が始まり懸命な修理作業が始まる。
そんな中、乗組員達は様々な危険に対して必死で耐えて、黙々と自分の仕事をこなす。男の中の男である。ようやく浮上でき開いたハッチの周りにみんなが集まってきて深呼吸をしているシーンが印象的だ。
戦闘シーンはいくつかあるが、全体的に地味な作りである。派手にしようと思えばいくらでも出来たのだろうが、リアリティ重視だったのだろう。それよりも艦内の人間関係や、緊張感、緊迫感、閉塞感が伝わり、言いようのない苛立ち、空虚さがにじみ出ていて心理的な要素が大きい作品である。
『眼下の敵』や『深く静かに潜航せよ』のように潜水艦と駆逐艦の息詰まる頭脳戦を描いたのではなく、潜水艦の弱い部分を描いている。
艦長は上にこびへつらうことなく、部下に厳しいながらもその実思いやりを持っている、頼りになる上官だ。ユルゲン・プロフノウが渋く演じている。魚雷で撃沈した敵のタンカーにまだ生存者がいるのを見て「敵の友軍は何故救助しなかったんだ!」と怒鳴っても、あっさりとみすてて走り去る。これが戦争だろう。
艦内セットも資料に基づいて綿密に作られており、艦首から艦尾まで実物そっくりだそうだ。船のミニチュアセットも使われているが、特撮が意外と上手くてちゃんとスケール感を感じさせてくれる。炎上するタンカーの炎だけはしょうがないか。
敵側の描写は全くと言っていいほどなく、乗組員達の視点で統一されている。あたかもドキュメンタリーを観ているかのようである。
順撮りしたのだろうか、乗組員達のヒゲが次第に伸びていき、服が薄汚れていく様子で過酷な潜水艦生活を感じさせる。長い航海を、観客も一緒に体験しているような印象を受ける。そして乗組員達に愛着が湧いてくる。
だがラストではそんな感傷を吹き飛ばすような最後が待っている。この不条理さは賛否両論だろうが、オレはこれも有りだなと思う。
『深く静かに潜航せよ』
『眼下の敵』
『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』
『天国の門』
『らせん階段』
『サハラ戦車隊』
『パットン大戦車軍団』
『撃滅戦車隊3,000粁』
『鬼戦車T-34』
『レッド・アフガン』
『D-TOX』
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
『30デイズ・ナイト』
『ミラーマスク』
『ハウリング』
『ビヨンド』
『グリーン・ゾーン』
『タイタンの戦い』
『サバイバル・オブ・ザ・デッド』
『オーストラリア』
『ハロウィン II』
『吸血鬼ボボラカ』
『キャット・ピープル』
『キルショット』
『フロム・ヘル』
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