『アバター』 これは映像革命だ

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p-1021.jpg『アバター』(2009) AVATAR 162分 アメリカ 20th CENTURY FOX
 
監督:ジェームズ・キャメロン 製作:ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー 製作総指揮:コリン・ウィルソン、レータ・カログリディス 脚本:ジェームズ・キャメロン 撮影:マウロ・フィオーレ プロダクションデザイン:リック・カーター、ロバート・ストロンバーグ 衣装デザイン:デボラ・スコット 編集:スティーヴン・リフキン、ジョン・ルフーア、ジェームズ・キャメロン 音楽:ジェームズ・ホーナー シニア視覚効果監修:ジョー・レッテリ
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーヴァー、スティーヴン・ラング、ミシェル・ロドリゲス、ジョヴァンニ・リビシ、ジョエル・デヴィッド・ムーア、CCH・パウンダー、ウェス・ステューディ、ラズ・アロンソ

『タイタニック』の売り上げに満足して、その売り上げで余生を送るつもりかと思われたジェームズ・キャメロンが帰ってきた。しかもものすごい映像をひっさげて。
 まさに画面を観るではなくそこに存在する物を観る感覚であった。
 オレが観たのはもちろん3D版。ちなみにある方の助言に従って日本語吹替版である。
 視力が落ちて去年から車の運転時や映画を観る時などには眼鏡をかけるようになっているのでメガネの上に3Dメガネをかける形。XpanD方式の液晶シャッター式だったのでメガネがごつくて重い。大村崑は「うれしいとメガネが落ちるんです」だが、こちらは映画に熱中しているとメガネが落ちてきてうっとおしい。3Dも進化したが、このメガネ問題だけはまだまだ残っていくのだろう。
 日本語吹き替えに関しては、テレビの洋画劇場で映画を覚えた年代なので外人顔が日本語をしゃべっていても何ら問題がない。
 しかしこれはまさに映像革命である。これまでの3D映画で手前に飛び出てくるというのはよくあったが、この作品からは奥行きが感じられる。その奥行きが上下になると高低差を表すことになる。この作品は高い木の上や崖の上から下を見下ろすカットが多いが、遙か下に見える大地は確かに足のすくむような距離を感じさせる。高所恐怖症じゃなくてよかった。
 3D映画によくある露骨にナイフや矢が画面を飛び出すカットは少なく、むしろあえて抑えたんだろうなと思わせる。
 近くの劇場では2D版しかやってないからと言う人は、時間と金を使っても3D版をやっている劇場まで足を伸ばした方が良い。それもなるべく前の席。
 このオレ自身も片道1時間かけて行ってきた。ちなみにまだ正月休みに入る前の平日だというのに場内満員。冬休みと言うことで子供も多かった。「すげーすげー」とやかましかったが、こういうやかましいはなんか嬉しい。
 でもジェームズ・キャメロン。オレは頻尿でしかも閉所恐怖症なんだよ。2時間42分は正直長かった。予告も入れると3時間。また予告が長いんだ。上映が終わると同時にダッシュでトイレに駆け込んだね。
 でも、予告でティム・バートンの3D映画『アリス・イン・ワンダーランド』の予告を3Dで観られて良かった。こいつも観に行くぞ。
 Blu-rayで画質は良くなっても現状ではまだ赤青セロハン式以外のフルカラーの3D映画は映画館の専売特許。Blu-rayも3Dの規格が決まったそうだが、どうやらプレイヤーだけじゃなくてテレビまで買い換えなきゃいけないらしい。
 2年前に買った42インチの東芝レグザをそうそう買い換えられませんよ。10年は使う予定なんだから。

 映像技術に比べるとストーリーの方はごくシンプル。場所は森の惑星パンドラ。1キロ20億の鉱石の上に原住民族ナヴィが集団で暮らしており、人間側としてはなんとか彼らをどかしたい。出来れば平和的にと言うのが表向きにあって、そこで主人公ジェイク(サム・ワーシントン)の遺伝子をグレース博士(シガーニー・ウィーヴァー)が操作してナヴィの分身(アバター)を作り説得に当たらせる。
 ジェイクはネイティリという族長の娘と出会い、いつしか恋に落ちる。
 指揮官のマイルズ大佐(スティーヴン・ラング)はついにしびれを切らしてナヴィ達を襲い始める。最初はやられっぱなしのナヴィだが、ジェイクが伝説の空飛ぶ翼竜を飼い慣らすことで信頼を集め、各部族を集めて反撃に出る。といったものである。
 ナヴィはネイティブアメリカンの象徴だろう。自然賛歌、反戦主義まったく持ってシンプルである。
 だが考えてみれば、あの大ヒット作『タイタニック』だって「男女がいちゃいちゃして、船が沈む話でしょ」なのだ。
 この映画に関してはこの映像がほぼ全てで、ストーリー云々はあまり気にする必要がない気がする。
 ジェイクは海兵隊員だが事故で車椅子という設定で、上半身はちゃんと肉が付いているのに、両足は筋肉がそげ落ちて細いという描写があって、細かいところまで描かれている。あれはCGだろうか。本当に車椅子の役者かと思ったが、サム・ワーシントンがそんなはずはない。
 女性ヘリパイロットのトゥルーディが実に味のある役で、死にっぷりも見事なものであった。合掌。ただなぜジェイクの側に付いたのかは説明不足である。
 左右両ローターのヘリコプターは『ターミネーター』に出てきた物に良く似ている。そして『エイリアン2』のパワーローダーを思わせるパワードスーツがガッツンガッツン編隊を組んで歩く。マイルズ大佐も敵ながら憎たらしくて格好いい。こちらの死にっぷりも良い。メカのデザインは流石ジェームズ・キャメロンだけのことはある。
 終盤のナヴィ対人類の対決シーンは実に迫力満点で、平和なシーンとの切替がちゃんと出来ている。
 個人的には聖なる気の精霊とかいうフワフワとした白いクラゲ状の物体の質感が一番気に入っている。

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このページは、東森時音が2009年12月28日 19:23に書いたブログ記事です。

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