『墓石と決闘』(1967) HOUR OF THE GUN 102分 アメリカ UNITED ARTISTS
監督:ジョン・スタージェス 製作:ジョン・スタージェス 脚本:エドワード・アンハルト 撮影:ルシアン・バラード 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ジェームズ・ガーナー、ジェイソン・ロバーズ、ロバート・ライアン、フランク・コンヴァース、サム・メルヴィル、チャールズ・エイドマン、オースティン・ウィリス、リチャード・ブル、ラリー・ゲイツ、ウィリアム・シャラート、アルバート・サルミ、ジョン・ヴォイト、スティーヴ・イーナット、マイケル・トーラン、ウィリアム・ウィンダム、ロニー・チャップマン
『OK牧場の決斗』(1967)の後日談を同じジョン・スタージェスが撮ったのがこの作品。
復讐に次ぐ復讐の重苦しい雰囲気の作品だけあって、前作ではワイアット・アープがバート・ランカスター、ドク・ホリディがカーク・ダグラスという陽気なタイプの俳優を使っていたが、今作ではそれぞれジェームズ・ガーナー、ジェイソン・ロバーズと渋めの重い俳優を使っている。特にジェイソン・ロバーズのドク・ホリディは結核を病んでいる様子を上手く表現している。
映画はいきなりOK牧場での撃ち合いのシーンから始まる。そして殺人犯として告訴されたワイアット・アープらの裁判のシーンへと続く。西部劇で本格的な裁判のシーンは珍しい。無法のイメージが強い西部でも地方ならばともかく都市部では司法制度が確立されていたということだろう。これがなかなか正式な裁判で証人喚問や銃弾の軌道なども考慮されてワイアット・アープたちは無罪放免となる。
これに頭に来たのが、生き残ったクラントン兄弟の長兄(ロバート・ライアン)。敵討ちとばかりにワイアット・アープの弟を闇討ちして足に重傷を負わせる。
続いて、町の保安官に立候補して当選した弟を背後からショットガンで撃って殺してしまう。
だが、あくまでも法は法という考えのワイアット・アープは友人たちを集めて犯人の逮捕へと向かう。しかしクラントンの手下を生きて捕まえることが出来ず何人も殺してしまう。いや、ワイアット・アープも敵討ちをしているのか。
ラストは町を追われてメキシコで牛泥棒に身を落としたクラントンとの一騎打ち。一瞬の静寂の後銃声が響き渡る。
『OK牧場の決斗』にこんな後日談があるとは知らなかった。悪党をやっつけてハッピーだと思っていたら裁判だ敵討ちだと続いていたなんて。
映画の冒頭に「これは史実に基づいている」と出る。ちょっと調べてみたら大まかな部分では事実らしい。もっともワイアット・アープ自身の生涯がかなり脚色されていて、どこまでが事実かはっきりしないが。
復讐が復讐を生み、その復讐がまた別の復讐を生む。どちらかが滅びるまでこの負の連鎖は止まらないのだ。なんとおろかなことだろう。痛快娯楽西部劇だった前作とは作品のカラーが大きく変わっている。
ワイアット・アープも最後には敵討ちに手を出してしまい、殺人の見張りを務めた嫌がる牧童相手に言葉で追い詰めていって最後には銃を抜かせるところなど爽快感とはほど遠い。
カメラは西部の光景を余すところなく捉え、ジェリー・ゴールドスミスの音楽も雰囲気を盛り上げる。
それにしてもメインキャストに女性が一人も入っていないところがまたジョン・スタージェスらしい。
ラスト、馬車に乗って去っていくワイアット・アープと結核治療のサナトリウムからそれを見送るドク・ホリディのカットは素晴らしい。もうこれで二度と会うことがないことを二人とも分かっているのだろう。
このカットからも象徴されるようにこの物語は復讐についての映画であると同時にワイアット・アープとドク・ホリディの友情についての映画でもある。
ジェームズ・ガーナーの貫禄のある演技、特に馬に乗った姿が素晴らしく格好いい。対するドク・ホリディは酒浸りで肺結核からくる咳ばかりしているギャンブラーにして殺し屋。演ずるジェイソン・ロバーズの名演が光る。
復讐にこだわりすぎたばかりに破滅していくロバート・ライアンも魅力的だ。
東森さん、こんばんは。
今日、久し振りに観ましたよ。
女が出て来てぐじゃぐじゃする「OK牧場の決闘」より重厚で好きですね。それに決して牧場ではなくて「囲い場」だと言う事も解るではないですか。
ガーナーはいつもはどちらかと言うと陽気な役柄が多いけど本作品が彼の俳優人生でNo.1と思います。
確かにサナトリウムでの別れは美しいです。
オンリー・ザ・ロンリーさん
OK牧場という単語で勘違いしてしまいがちですよね。私もかなり後になるまで知りませんでしたが、牛を育てるところではなく売るために街に連れてきた牛を一時的に保管しておく囲い場ですね。
ラストの別れのシーンは『トゥームストーン』(1993)でもにた感じで描かれていました。最近の西部劇の中ではお気に入りなんですが、DVDは廃盤のまま。アメリカではBlu-rayにまでなっているようなので日本でもなんとかして欲しいものです。